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11月の健康(2011年)

2011.11.04.04:52

11月の健康

 11月(霜月)になりました。8日は立冬、23日は小雪です。朝、晩の寒さは厳しくなってきました。“かぜ”で来院される方が増えています。お体には十分気をつけていただきますよう、お願い申し上げます。
 紅葉の季節です。県立美術館・文学館前の銀杏も見事に色づきます。同じように見える銀杏ですが、よく見ると、見事な黄色い葉の木、ほとんど葉が落ちてしまった木、まだ葉が青い木と、1本1本違いが認められます。日や風のあたり方などで、このような違いが出てきたのではないかと思います。患者さんも1人1人違い、その人に合った指導をしなくてはなりません。例えば、ある方にはトマトジュースをよく取るようにすすめます。トマトジュースは、カリウムが多く、血圧を下げ、糖尿病を予防し、食物繊維も多く、低カロリーなのでどんどん取りましょうと指導します。しかし、腎不全の方には、トマトジュースはおすすめできません。カリウムが多く、高カリウム血症になりやすく危険であり、低カロリーで栄養が少ないので控えるようにと全く逆の指導をします。画一的ではなく、その人に合わせた指導をしています。「からだにいい」といわれるものは、すべての方に良い訳ではありません。病態を考えた指導が大切です。

 11月は「てんかん月間」です。WHOによりますと、「てんかんとは、さまざまな原因により起こる慢性の脳の病気で、大脳の神経細胞の過剰な活動に由来する反復性の発作(てんかん発作)を主徴とし、それに富んだ臨床および検査異常を伴うもの」と定義されています。てんかんという病気は5000年の長い歴史があるのにも関わらず、いまだに誤解と偏見が完全に解けていません。てんかんは人口の約100人に1人が経験するありふれた病気です。その1/4が薬物で治るとされています。患者さんは全国に約100万人いるといわれています。
 てんかん治療中の患者さんが、薬を飲まなかったために、車の運転中にてんかん発作が生じ、事故を起こしたケースがあります。適切な治療を受けることが大切です。
 平成22年3月、東北大学に日本初のてんかん科が創設され、中里信和先生が教授に就任されました。
中里先生の研究室のホームページです。http://www.epilepsy.med.tohoku.ac.jp/index_frame.html
日本てんかん協会のホームページです。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~jea/ 
 てんかん治療に力を入れている医療機関です。
●独立行政法人国立病院機構 静岡てんかん・神経医療センター
静岡県静岡市葵区漆山886番地 http://www.shizuokamind.org
●独立行政法人国立病院機構 西新潟中央病院てんかんセンター
 新潟市真砂1-14-1  ?025-265-3171 http://ns.masa.go.jp/epi/
●独立行政法人国立病院機構 国立精神・神経医療研究センター病院
東京都小平市小川東町4-1-1 ?042-341-2711 http://www.ncnp.go.jp/hospital/
●むさしの国分寺クリニック 大沼悌一先生(東京都国分寺市) 
 東京都国分寺市南町3-22-31 ?042-328-5660 http://www1.ocn.ne.jp/~mkclinic/index.html

 11月は「乳幼児突然死症候群対策強化月間」です。乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)とは、何の予兆や既往歴もないまま乳幼児に死をもたらす病気です。平成12年には363人、平成15年には244人の赤ちゃんがこの病気で亡くなっています。その9割が1歳未満に亡くなっており、乳児期の死亡原因の第3位となっています。この病気の危険を少なくするために、①あおむけ寝で育てましょう ②タバコをやめましょう ③できるだけ母乳で育てましょう。この3つはいずれもSIDSの直接的な原因ではありません。育児に対して必要以上に不安を抱くことは避けてください。これらのことを参考にして日ごろの育児の方法を再確認していただき、あとはおおらかな気持ちで子育てをしてください。「すこやか親子21」では、2010年までに乳児のSIDS死亡率を半減することを目標に掲げています。(厚生労働省のパンフレットより)

 11月になり、書店の店頭には、新しいカレンダーのコーナーもできました。最近、人間には体内カレンダーがあることがわかってきました。動物の冬眠は、体内カレンダーが関係しているようです。秋になるとうつ状態になる季節性情動障害という疾患は、体内カレンダーと関連があるそうです。体内カレンダーについては、平成21年8月1日、日本うつ病学会で、独立行政法人理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの上田泰己先生の講演でうかがいました。

 平成21年10月29日、落語家の三遊亭円楽さんがお亡くなりになりました。76歳でした。円楽さんは、65歳から慢性腎不全のため週3回の血液透析を行なっていました。血液透析を受けながら笑点の司会をされていました。平成17年、72歳の時に脳梗塞を生じ、入院されました。リハビリ訓練により平成19年2月25日、東京・国立演芸場にて「芝浜」を演じ最後の舞台となりました。最後の口演は、脳梗塞による構音障害のため言葉がはっきりと出すことができず満足できなかったそうです。平成19年11月には胃がんを告白し、その後は肺がんを患いました。平成21年5月に肺がんの再発、9月に脳梗塞再発し、半身麻痺の状態となり、10月29日、息を引き取られました。円楽さんを長い間苦しめたのは、慢性腎不全、そして言葉を奪ったのは脳梗塞です。この二つの病気は、血管の病気であり、高血圧が最大の危険因子です。塩分を控えましょう。高血圧を指摘されたら、放置せずに医療機関を受診し、目標値まで下げましょう。
 平成21年10月31日は、落語家の立川文都さんが胃がんのためお亡くなりになりました。49歳という若さです。立川文都さんはご自身のホームページで闘病記を公開していました。
http://bunto.web.fc2.com
 お二人の偉大な落語家のご冥福をお祈りいたします。

 11月3日は、文化の日です。また、11(いい)03(おさん)とよんで、「いいお産の日」です。妊婦の皆さんには、健康なお子さんに恵まれますよう、お祈りいたします。
“不育症”とは、妊娠はするが、繰り返す流産などで出産までに至らない状態をいいます。しかし適切な治療を受ければ元気な赤ちゃんを産むことが高い確立で可能です。2回以上流産を繰り返すようならば、不育症を疑って専門医に相談してみたらいかがでしょうか。不育症という言葉は、まだ医療関係者の中でも十分に知られていない現状があります。「流産をくりかえす人の85%が無事に出産までたどりつきます」(厚生労働省のポスターより)
・不育症について 杉ウイメンズクリニック http://www.sugi-wc.jp/c_4.html
WHOの発表によると、2008年に世界で約35万8000人の女性が出産の前後に死亡しました。ほとんどがアフリカや南アフリカなどの発展途上国です。1990年と比べると34%減少していますが、国連が定めた目標「ミレニアム開発目標」にはまだ不十分です。

 11月5日は「いいリンゴの日」です。切ったリンゴはしばらくすると色が変わります。これは、リンゴの表面が酸化されるためです。人間にも酸化は起こっていてさまざまな病気と関連しています。血液中のLDLコレステロールは酸化することによって、動脈硬化を進行させる悪玉コレステロールとなります。

 平成17年11月6日、歌手の本田美奈子さんが38歳という若さで急性骨髄性白血病のため亡くなりました。白血病では女優の夏目雅子さん(27)、元関脇の蔵間さん(42)、格闘家のアンディ・フグさん(35)が若くして命を落としています。しかし、白血病の治療は年々進歩しています。俳優の渡辺謙さんや歌舞伎役者の市川団十郎さんも白血病です。一口に白血病といってもその種類により性質が異なり、治療には高度な専門性が要求されます。山梨大学では、平成16年10月より血液内科が開設されました。白血病をはじめとする血液疾患の診療が大いに期待されます。

11月8日は11(いい)8(は)とよんで、「いい歯の日」です。歯や口の中を清潔に保ち、虫歯や歯周病を防ぎましょう。口腔内を清潔に保ちますと肺炎の予防にもつながります。歯がなくて入れ歯の方、在宅で経管栄養をしていて口からものを食べていない方でも口腔内を清潔に保つことは大切です。在宅医療の現場では、口腔ケアを重視しています。

11月8日は「レントゲンの日」です。1895年(明治28年)11月8日、ドイツの物理学者レントゲンがX線を発見しました。その功績で、レントゲンは1901年、第1回ノーベル物理学賞を受賞しました。
11月2日から8日までレントゲン週間になっています。当院で主に胸のレントゲン写真をとります。胸部のレントゲンでは、肺に異常な影があるのか、心臓は大きくないか、脊椎(背骨)は曲がっていないか、胸水がないかチェックします。一枚のレントゲン写真では、細かい部分はわかりにくかったり、心臓や横隔膜の裏の病変は見えないなど限界があります。より詳しく見るためには、胸部CTが必要となり、CTのある医療機関に検査を依頼します。
・社団法人日本放射線技師会 レントゲン週間 http://www.jart.jp/roentgenweek

 1876年(明治9年)11月9日、世界的な細菌学者である野口英世博士が、福島県耶麻郡猪苗代町三城潟にて生まれました。野口博士は、千円札の人物としてよく知られています。

 平成18年11月10日、漫画家のはらたいらさんが、63歳で亡くなりました。死因は肝硬変です。はらたいらさんは、お酒を好まれて大変飲んでいたそうです。アルコールは肝臓に負担をかけ、肝臓病の進行を速めます。肝臓に障害がある方は、禁酒が治療の基本です。アルコールは、健康に影響を及ぼすおそれがあるので注意が必要です。独立行政法人国立病院機構・久里浜アルコール症センターの丸山勝也先生は、節度ある適度な飲酒について、次の10項目をあげています。①まず酒に強いか弱いか自分の体質を知ること、②その結果、酒に弱い体質なら決して無理して飲まないこと、③酒に強い体質でも量として1日1合程度とすること、④週に2日は休肝日をつくること、⑤強い酒は薄めて飲むこと、⑥ゆっくりと時間をかけて飲むこと、⑦つまみと一緒に飲むこと、⑧薬と一緒に飲まないこと、⑨女性は男性の半分の量とすること、⑩休みでも朝酒をしないこと(成人病と生活習慣病 2004 Vol.34 No.11 p1411)。節度ある適度な飲酒の量は、アルコール換算で一日平均20g程度です。これは、ビール500ml、日本酒1合(180ml)、ウイスキー・ブランデーダブル60ml、焼酎1合(180ml)、ワイン1杯(120ml)に相当します。これから忘年会などお酒を飲む機会が増えます。適正飲酒を守り、健康に配慮しながら楽しくいただきましょう。

 11月10日は「11(いい)10(と)いれ」と読んで、トイレの日です。1986年に日本トイレ協会が制定しました。トイレが近い、夜間トイレによく行くなど、トイレのトラブルはありませんか?
 排尿障害の一つに、「過活動膀胱」という病態があります。これは「尿意切迫感を有し、通常は頻尿および夜間頻尿を伴い、切迫性尿失禁を伴うこともあれば伴わないこともある状態」と定義されます。日本では40歳以上の男女の8人に一人が過活動膀胱といわれています。
 過活動膀胱の診断に、「過活動膀胱症状問診表(Overactive Bladder Symptom Score;OABSS)が利用されます。この質問は15点満点です。過活動性膀胱と診断された方で、OABSSが5点以下は軽症、6~11点は中等度、12点以上は重症と分類することができます。過活動膀胱の診断には、次のような病気が隠れていないか確認する必要があります。膀胱がん、膀胱結石、間質性膀胱炎、子宮内膜症、前立腺がん、尿道結石、細菌性膀胱炎、前立腺炎、尿道炎、尿閉、多尿、心因性頻尿などです。残尿がないか、排尿後の腹部エコーで確認します。
過活動膀胱では、抗コリン薬がもっともよく使われています。
 オキシブチニン(推奨グレード:A)(ポラキス)
 プロピベリン(推奨グレード:A)(バップフォー)
 トルテロジン(推奨グレード:A)(デトルシトール)
 ソリフェナシン(推奨グレード:A)(ベシケア)
 イミダフェナシン(ウリトス、ステーブラ)
抗コリン薬で口の渇きが生ずることがあります。まれな副作用として急性緑内障(0.06%)、尿閉に注意する必要があります。
過活動膀胱に関するサイトです。
・トイレが近い、我慢できない人へ。過活動膀胱[OAB]解決サイト http://www.oab-info.com
・排尿トラブル改善.com http://www.hainyou.com/

 男性では、排尿障害の原因として、前立腺肥大症があります。前立腺肥大症は、55歳以上の男性の5人に1人が罹患しているといわれています。
前立腺肥大に使う薬には、次のようなものがあります。
 α1遮断薬 プラゾシン塩酸塩(ミニプレス)、
タムスロシン塩酸塩(ハルナール)、
テラゾシン塩酸塩水和物(ハイトラシン、バソメット)、
ナフトピジル(フリバス、アビショット)、
ウラピジル(エブランチル)
シロドシン(ユーリフ)
 抗アンドロゲン薬 
クロルマジノン酢酸エステル(プロスタール、プロスタールL)
アリルエストレノール(パーセリン)
 抗コリン薬 プロピベリン塩酸塩(バップフォー)、
オキシブチニン塩酸塩(ポラキス)、
酒石酸トルテロジン(デトルシトール)、
コハク酸ソリフェナシン(ベシケア)、
イミダフェナシン(ウリトス、ステーブラ)
その他
5α還元酵素阻害薬 デュタステリド(アボルブ)
<参考>
「過活動膀胱診療ガイドライン」 日本排尿機能学会過活動膀胱ガイドライン作成委員会

 11月11日は「介護の日」です。介護保険サービスを利用するためには、主治医の介護保険意見書が必要となります。普段から何でも相談できるかかりつけ医を持ちましょう。介護で困ったことがありましたら、地域包括支援センターにご相談ください。公的な機関ですが、甲府市では民間委託され、地域も決まっています。甲府市以外の地域の方は、各市町村の地域包括支援センターにご相談ください。
名称 住所 電話番号 小学校の地区
甲府市東地域包括支援センター 城東4-13-15 233-6421 琢美、東、富士川
甲府市南東地域包括支援センター 国玉951-1 223-0103 里垣、玉諸、甲運
甲府市西地域包括支援センター 上石田1-7-14 220-7677 貢川、石田、池田、新田
甲府市南西地域包括支援センター 大里町5315 220-2315 国母、大国、大里
甲府市南地域包括支援センター 住吉5-24-14 242-2055 伊勢、住吉、湯田、山城
甲府市北東地域包括支援センター 塚原町359 252-3398 相川、北新
甲府市北西地域包括支援センター 羽黒町1657-5 253-1165 千塚、羽黒、千代田、能泉、宮本
甲府市北地域包括支援センター 朝日2-2-3 田中ビル102 220-3177 朝日、新紺屋
甲府市中央地域包括支援センター
丸の内2-9-28 勤医協駅前ビル4F 225-2345 春日、相生、穴切
甲府市笛南地域包括支援センター 下向山町1516-1 YLO会館内 266-4220 中道、上九一色
 厚生労働省へのパブリックコメントでは、介護を必要となった場合、自宅で受けたいという方が、4465件中70%を占めました(平成22年8月14日 NHKニュースより)。当院では在宅で良質な医療・介護を受けられるよう取り組んでおります。
 家族の介護を一生懸命にするあまりに、自分の健康を犠牲になっていませんか。介護をする方は、そうでない方と比べて高血圧や腰痛を患っている方が多いです。また「介護うつ」にも注意です。社会的資源を上手に利用し、周りの方の力を借りて、上手に介護をしましょう。介護をする方が健康でなければよい介護はできません。

 11月12日は、11(いい)12(ひふ)とよんで、「いいひふの日」です。これから空気が乾燥する季節になります。乾燥対策をしましょう。また、喫煙もお肌にはよくありません。毛髪や爪に関しても皮膚科が専門です。
 毎年、「顔と手足の皮膚がん無料検診」が行われます。今年は、11月13日(日)午前10時から午後3時まで、場所は山交デパートです。せっかくのチャンスですので、是非お立ち寄りください。

 11月14日は「世界糖尿病デー」です。11月14日はチャールズ・ベストとともにインスリンを発見したフレデリック・バンティングの誕生日です。世界糖尿病デーには、各地でイベントが行われます。札幌時計台、東京タワー、鎌倉の大仏、松本城、掛川城、名古屋城、彦根城、通天閣、姫路城、明石大橋、岡山城、高知城、熊本城、宮崎県庁などがブルーにライトアップします。
山梨県では甲府駅前の武田信玄公像がブルーにライトアップされます。世界でもナイアガラの滝、エッフェル塔、万里の長城がブルーにライトアップされます。
 糖尿病は増えています。平成19年の糖尿病患者数は890万人で、昭和30年の35倍です。平成に入ってからも糖尿病患者数の増加に歯止めがかかりません。糖尿病患者及び予備軍の数は、平成9年:1370万人(患者680万人、予備軍690万人)、平成14年:1620万人(患者740万人、予備軍880万人)、平成19年:2210万人(患者890万人、予備軍1320万人)です。
 平成3年から平成12年に糖尿病患者さんに行われた調査によりますと、日本人男性の平均寿命は77.6歳ですが、糖尿病男性は68歳でした。日本人女性の平均寿命は84.6歳ですが、糖尿病女性では、71.6歳でした。10歳近く平均寿命が短くなっています。
山梨県には、糖尿病が疑われる例も含めますと約11万人糖尿病患者さんがいると推定されています。しかし、その半数は医療機関を受診していません。糖尿病は、初期は自覚症状が全くありません。しかし、放置しておきますと、脳梗塞、心筋梗塞、腎不全、失明、足の切断と合併症に苦しまなくてはなりません。1年間に糖尿病性腎症で透析にいたる方は約1万6000人です(日本透析医学会:わが国の慢性透析療法の現状2009年12月末現在より)。糖尿病で足を切断する方は、約3000人、糖尿病性網膜症が原因で失明する方は、後天性の失明の第2位です。糖尿病の3大合併症は「しめじ」と覚えましょう。し:神経の障害、め:目の障害、じ:腎臓の障害です。
介護が必要になり、家族の負担も増えます。糖尿病が疑われると指摘されている方は、早めに医療機関を受診してください。
 糖尿病の診断基準が、平成22年7月1日に改正されました。HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)と血糖の組み合わせで糖尿病を診断します。
 睡眠と糖尿病には関連があります。睡眠障害の方には、糖尿病が多いといわれています。良質な睡眠をとりましょう。
 平成21年度現在、糖尿病専門医は、4151名います。しかしこれだけの人数で糖尿病患者さんを見ることは難しく、かかりつけ医、非糖尿病専門医との連携が重要です。糖尿病に詳しいコメディカルである糖尿病療養指導士(CDE)は平成23年6月15日現在16363名で毎年増え続けています。
 月間糖尿病ライフ「さかえ」は、糖尿病患者さん向けの大変すばらしい月刊誌です。日本の糖尿病治療の第一人者が記事を提供し、患者さんの視点で書かれています。糖尿病体験記も豊富です。是非、糖尿病と診断された方は購読されることをお勧めいたします。当院でも待合室にそろえています。月間糖尿病ライフ「さかえ」希望の方は、社団法人日本糖尿病協会 電話 03-3514-1721 までご連絡ください。
 糖尿病の主治医は、患者さん自身です。ご自身の血糖とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)で血糖の状態をよく把握してください。HbA1cは、1~2ヶ月前の血糖を反映したものです。
 糖尿病の治療の基本は、食事、運動、睡眠など生活習慣の改善です。食事療法・運動療法を十分にやっても改善しない時や、著しい高血糖の場合、薬を使います。

 11月15日は「七五三」です。お子さんの健やかな成長を願い、素晴らしい未来をプレゼントしたいと思います。子どもたちの中には、22世紀を迎える子もいるでしょう。どのような世紀になっているのでしょうか。

 平成22年11月16日は、「世界COPDデー」です。WHO(世界保健機関)とNHLBI(米国立心肺血液研究所)の呼びかけで発足したGOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)という組織が定めた日で、11月の水曜日が当てられます。COPDとは、「慢性閉塞性肺疾患」といい、従来「慢性気管支炎」や「肺気腫」といわれていた病気に相当します。COPDは現在世界の死亡原因の第4位で、日本では40歳以上の約12人に1人(8.5%)がCOPDであり、現在500万人以上の患者がいると推定されています。しかし、治療を受けているのは、22.3万人と、全体の5%未満です。GOLD日本委員会が2009年7月に実施した全国1万人を対象にしたインターネット調査によるとCOPDをよく知っている人は5.1%、名前を聞いたことがある人は、12.6%、知らない人は82.4%でした。重要な疾患にもかかわらず認知されていません。まずは病気について知ることが大切です。
次の5項目のうち、3項目以上当てはまる方は、COPDが疑われます。
① 1日に何度も咳をする ② 1日に何度も黄色がかかったり粘ったりする痰が出る ③ 同年代の人と比べて息切れがしやすい ④ 40歳以上である ⑤ 現在タバコを吸っている、または以前吸っていた
 COPDでは、禁煙と予防のためのインフルエンザワクチン接種が非常に大切です。当院ではともに力を入れています。
世界COPDデーのついては、COPD情報サイトをご覧ください。http://www.gold-jac.jp
 平成18年11月18日、俳優の仲谷昇さんが77歳で亡くなりました。原因はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)です。COPDとはタバコなどの有害な空気を吸い込むことによって、空気の通り道である気道(気管支)や、酸素の交換を行う肺(肺胞)などに障害が生じ、ゆっくりと悪化してゆく病気です。COPDは、1990年に世界の死亡原因の第6位でしたが、2020年には第3位になると予想されています。進行すると肺の機能が失われて、息が苦しくなります。例えるなら、エベレストの頂上で生活している状態、あるいは、金魚が酸素不足のために水面でパクパクしている状態です。歩くと息苦しくなり生活の範囲が狭くなります。さらに悪化すると、酸素が必要となり、寝たきりの状態になります。家族の方の介護が必要になり、負担が増えます。患者さんは「息苦しい」と訴えます。患者さんの息苦しさを和らげることは困難です。がんの痛みには、モルヒネという効果的な薬があり、かなりコントロールできますが、COPDにはこのような薬はありません。患者さんも、家族の方も、医療関係者もみな苦しむCOPDという病気、それには予防法があります。それはタバコの煙を吸わないことです。仲谷昇さんは、楽屋に酸素ボンベを持ち込み出演していました。そして平成16年夏のドラマ出演を最後に入退院を繰り返していたそうです。
 平成21年11月、76歳の藤田まことさんは、TBSテレビ連続ドラマ「JIN-仁-」に新門辰五郎役で出演する予定でしたが、COPDのため降板を余儀なくされました。藤田さんは、平成20年に食道がんの手術も受けています。病気は仕事、生きがいをも奪います。平成22年2月16日、家族と夕食をとり、くつろいでいた時に喀血し、病院に運ばれましたが、翌日帰らぬ人となりました。78歳です。原因は大動脈瘤破裂です。太い血管が破れ、血圧が下がりショック状態となります。突然死の原因となる疾患です。
COPDとは避けることができる病気です。私は皆さんがこの病気で苦しむことのないよう、禁煙を勧めています。そのためにはどんな支援も惜しみません。
ミュンヘンオリンピック男子バレー監督の松平康隆さんは、1日60本のヘビースモーカーでしたが、この病気に罹患されました。現在は主治医の先生とともに上手に病気に対処しています。闘病の体験を平成17年7月28日放送の「きょうの健康」で語っています。まずは、病気という相手を知ることが大切です。歌丸、1日50~60本の喫煙者。
千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学教授・巽(たつみ)浩一郎先生は、体を動かさないこと(physical inactivity)は、入院や死亡、呼吸機能低下、全身性炎症に関係し、COPD患者さんは動くことが重要だと主張しています(日本医事新報 No.4513 p46-50 2010年10月23日)。よく体を動かしましょう。
 COPDの薬物療法として、長時間作用性抗コリン薬が使われます。そのほかに吸入ステロイドと長時間作用性β2刺激薬の合剤、喀痰調整薬(ムコダインなど)が使われます。
 ホクナリンテープとスピリーバーとの併用が有効 BAREC? Study
 平成17年の在宅呼吸ケア白書によりますと、在宅酸素療法を受けている方の48%がCOPD患者さんでした。平成21年に在宅酸素療法を受けている方は、約15万人と推定されています。
COPDについては、以下のサイトを参考にしてください。
・COPD-jp.com 肺の病気COPD(慢性閉塞性肺疾患)総合情報サイト http://www.copd-jp.com
・環境再生保全機構COPDライブラリ http://www.erca.go.jp/asthma2/copd
・日本医科大学呼吸ケアクリニック http://rcc.nms.ac.jp

 11月17日は、「肺癌撲滅デー(lung cancer awareness day)」です。男性では、最も死亡率が高いがんが肺癌です。女性でも増加傾向にあります。治療成績も胃がんや大腸がんに比べ劣っています。呼吸器のがんは、1990年の世界の死亡原因の第10位でしたが、2020年には第5位になると予想されています。(Murray.CJ et al:Lancet,349(9064):1498,1997)
早期発見・早期治療が大切です。検診を積極的に受けるようにしましょう。また、喫煙は肺癌のリスクを高めます。禁煙をおすすめいたします。

平成22年10月19日 新しい抗インフルエンザ薬であるイナビル(ラニナミビルオクタン酸エステル水和物 第一三共)が使用できるようになりました。タミフルやリレンザと同様にインフルエンザのノイラミニダーゼという酵素に働く薬です。イナビルは、インフルエンザ感染症に対して1回の吸入で十分な効果を発揮します。1容器に20mgの薬が含まれています。10歳未満は20mgを、10歳以上は40mg使用します。
イナビルの吸入方法については、http://www.influ-news.info/top.html をご覧下さい。
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6月の健康 (2011年)

2011.06.12.07:31

6月の健康

6月(水無月:みなづき)となりました。6日は芒種、22日は夏至です。さくらんぼのおいしい時期です。しかし梅雨のうっとうしい季節でもあります。雨が降らない日は、30℃を越える真夏日も珍しくありません。紫外線も多く注ぎます。食中毒や熱中症も発生しやすくなります。体調には十分注意しましょう。

 6月4日から10日は、「歯の衛生週間」です。虫歯と歯周病で歯の代表的な疾患です。多くの方が罹患し、歯医者さんにお世話にならない方はいないといってもよいでしょう。
歯や口腔と全身疾患には、強い関連が認められます。口腔内を衛生的に保つと、肺炎の予防につながります。動脈硬化、糖尿病、バージャー病などの全身病と歯周病の関係も指摘されています。喫煙は、歯周病の危険因子でもあります。私が担当していた糖尿病の患者さんに、食後高血糖を予防するため「よくかんで、ゆっくり食べてください」とアドバイスしたことがありました。その患者さんは、歯周病のため、歯が1本もなく、軟らかい食べ物を飲み込むようにして食べていました。歯のために「よくかんで ゆっくり食べる」ことができませんでした。このような患者さんに食事療法をすすめることは、非常に困難です。
現在、25歳以上の方の約8割に歯周病があるといわれています。虫歯や歯周病は、歯や口腔内を清潔に保つことで予防可能です。80歳になっても20本以上の歯を保つことを目指しましょう。平成11年歯科疾患実態調査では、80歳で有している自分の歯の数は、全国平均8.2本でした。80歳で自分の歯を20本以上有している8020達成率は、全国平均15.3%でした。8020達成率が高いのは、大阪府の36.5%、広島県の36.2%、高知県の30.7%です。ワースト1は長野県の4.5%、山梨県は、ワースト2の6.0%です。豊かな食生活を楽しみ、健康な生活を過ごすために、歯の衛生を保ち、虫歯や歯周病の予防に努めましょう。
 歯周病の原因は、「プラーク(歯垢)」というさまざまな細菌が集まったものが、歯の表面に付着することです。歯と歯肉の間を意識してブラッシングをしましょう。歯間ブラシやデンタルフロスなどで歯の間もきれいにしましょう。電動歯ブラシを利用するのも良いでしょう。磨きにくいところは小さな歯ブラシを使いましょう。舌も磨きましょう。リステリンなどで殺菌し、口腔内全体を衛生的に保つことも有効です。歯は食前ではなくて食後に磨いてください。睡眠中は、口腔内の菌が増殖しやすく、また唾液の誤嚥による肺炎を起こしやすい状態になります。睡眠前は特に口腔内を清潔にするよう心がけましょう。
 在宅医療を受けている方の口腔ケアは非常に大切です。口腔ケアにより食べられるようになると患者さんの生活の質が向上します。誤嚥性肺炎の発生を抑える効果もあります。歯科医は大切な在宅医療のパートナーです。
・8020推進財団 http://www.8020zaidan.or.jp
・歯とお口のことなら何でもわかるテーマパーク8020 http://www.jda.or.jp/park/index.html
・8020日歯TV http://www.jda.or.jp/tv
<参考文献>
 NHKテキスト きょうの健康 2009年3月号 p82~85

 6月は“リウマチ月間”です。現在日本では、70~100万人の関節リウマチの患者さんがいるといわれています。フランス印象派の画家ルノアールも関節リウマチに悩まされていました。晩年は車椅子に腰掛け、変形した指の間に絵筆を挟み、腕をサスペンダーでつるして、創作活動をしたそうです(日本臨床内科医学会会誌 平成20年12月 第23巻 第4号 p389)。関節リウマチとは、炎症が関節滑膜に対して慢性的に生じている疾患です。
リウマチの医学は大変進歩しています。リウマチは早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です。①朝、手がこわばる、②はれている関節が3つ以上ある、③左右対称に関節がはれている、このような症状があるときは関節リウマチを疑います。関節リウマチの約90%は、手指や手関節の症状から始まります。
リウマチの診断・治療には高度な専門性が必要です。パルボウイルスB19などのウイルス性関節炎は関節リウマチと似ているので、注意が必要です。関節リウマチは、発症の早期より骨破壊が進みます。特に初めの1年間の病状の進み方が速いです。早期に診断し、早期に治療することが大切です。
 アメリカリウマチ学会の分類基準(1988)は、関節リウマチの診断感度:91~94%、特異度:89%と大変優れていますが、早期診断には適していません。
関節リウマチでは、CRP、リウマトイド因子、抗CCP抗体を測定します。特に抗CCP抗体(抗cyclic citrullinated peptides抗体)は、関節リウマチの特異度が89~98%と高く、早期診断に有用です。
リウマトイド因子は、リウマチの検査でよく用いられていました。リウマトイド因子が陽性であっても、自覚症状がない方が関節リウマチである確率は約10%です。また関節リウマチの方の約2割はリウマトイド因子が陰性です。検査結果の解釈には注意が必要です。もちろん、血液検査だけではリウマチは診断できません。自覚症状も重要です。
 関節の状態は、レントゲンで評価されることが多いのですが、最近はMRIで詳細に評価できるようになりました。MRIはコストがかかり、まだ一般的ではありません。外来でも使用可能な「コンパクトMRI」も登場しましたが、まだ一部の施設でしか使用されていません。コンパクトMRIは、筑波大学の住田孝之教授、巨瀬勝美教授らによって研究・開発されています。
 関節リウマチは、DAS(disease activity score)で活動性を評価します。5.1以上を高度活動性、3.2以上5.1未満を中等度活動性、3.2未満を低活動性とします。2.6未満を寛解とします。
関節リウマチの治療は、症状を和らげる痛み止めの薬(抗炎症薬など)と、病気の原因に対する薬(抗リウマチ薬)に分けられます。関節リウマチと診断されたら、できるだけ早い時期に抗リウマチ薬を始めることがガイドラインでもすすめられています。
抗リウマチ薬には、メトトレキセート(リウマトレックス)、レフルノミド(アラバ)、金製剤(シオゾール、リドーラ)、D-ペニシラミン(メタルカプターゼ)、サラゾスルファピリジン(アザルフィジン)、ブシラミン(リマチル)、ミゾリビン(ブレディニン)、タクロリムス(プログラフ)などがあります。※( )は商品名です。
最近は、生物学的製剤と呼ばれる薬も登場してきました。TNF阻害薬として、ルキシマブ(レミケード 2003年)、エタネルセプト(エンブレル 2005年)、アダリムマブ(ヒュミラ)が使われています。
IL-6というサイトカインを阻害する薬としてトシリズマブ(アクテムラ 2008年)があります。これは日本で開発された薬です。
2010年にはT細胞というリンパ球に作用するアバタセプト(オレンシア)という薬も使用できるようになりました。これからも関節リウマチに対する新しい薬が開発され、登場します。
リウマチの診療では症状を細かく診て、総合的な判断が必要です。早めに専門医の診察を受けましょう。当院では専門医の先生をご紹介いたします。関節リウマチによる関節の変形や痛みを、早期に適切な治療を行うことにより防ぐことが可能となる時代が近い将来やってくる気配がします。
リウマチと関連する病気、膠原病には、次のようなものがあります。
関節リウマチ、Still病、Felty症候群、全身性エリテマトーデス、慢性円板状エリテマトーデス、抗リン脂質抗体症候群、全身性硬化症、CREST症候群、好酸球びまん性筋膜炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、MCTD、overlap症候群、結節性多発動脈炎、アレルギー性肉芽腫性血管炎、Wegener肉芽腫症、側頭動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、Sjogren症候群、リウマチ熱、Behcet病、強直性脊椎炎、Reiter症候群、Weber-Christian病、乾癬性関節炎、川崎病
・リウマチ情報センター http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/index.html
・リウマチ・アレルギー情報センター http://www.allergy.go.jp/
・日本リウマチ友の会 http://www.nrat.or.jp/
・リウマチについて http://www.santen.co.jp/ra/index.shtml
・リウマチ21.info http://www.riumachi21.info/

 5月31日から6月6日は、「禁煙週間」です。5月31日は世界保健機構(WHO)が提唱した「世界禁煙デー」です。喫煙は、本人ばかりでなく、周囲の人にも身体に影響を与えます。タバコがやめられないのは、意志が弱いためではなく、ニコチン依存症のためです。現在は、禁煙のための薬があり、楽にやめられるようになりました。禁煙を希望される方は、是非、ご相談ください。禁煙外来は、予約制ですので、あらかじめご連絡ください。
・すぐ禁煙.JP http://sugu-kinen.jp
・大阪府立健康科学センター http://www.kenkoukagaku.jp
      「健康ライブラリー」をクリックしてください。
・厚生労働省ホームページ たばこと健康に関する情報ページ
      http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/main.html
・日本循環器学会 禁煙推進委員会 http://www.j-circ.or.jp/kinen/
・厚生労働省 健康ネット http://www.health-net.or.jp
・日本医師会 たばことがん http://www.med.or.jp/nosmoke/canser/index.html
・日本心臓財団 ハートニュース 喫煙と循環器病(禁煙のすすめ)
      http://www.jhf.or.jp/heartnews/hn16.htm
・大阪がん予防検診センター http://www.gan-osaka.or.jp
・インターネット禁煙マラソン http://kinen-marathon.jp
・子ども禁煙検定 http://www.webstudio.jp/kinen_test/test_jr_start.php
・まゆみ先生の禁煙外来 http://www.venus.dti.ne.jp/~drmayumi
・日本呼吸器学会 禁煙のすすめ http://www.jrs.or.jp/home/modules/citizen/index.php?content_id=81
・洲本市禁煙専門外来・洲本市禁煙支援センター http://www1.sumoto.gr.jp/shinryou/kituen/
・禁煙ネット http://www.horae.dti.ne.jp/~kinennet/index.html
・禁煙サポートサイトいい禁煙 http://www.e-kinen.jp

 昭和16年6月2日、鉄人と呼ばれた元ニューヨークヤンキーズの大リーガー・ルー・ゲーリックが亡くなりました。37歳という若さです。ルー・ゲーリックはベーブルースと同時代に活躍した名選手です。昭和9年の日米野球では、沢村栄治投手からソロホームランを打ち、アメリカチームは完封を免れました。ルー・ゲーリックの命を奪ったのは、運動神経が障害される筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病です。アメリカでは、この病気を「ルー・ゲーリック病」とも呼びます。この病気は原因不明の難病で、主に中高年に発症します。体を動かすことができなくなり、しゃべることができなくなり、食べることができなくなり、進行すると呼吸もできなくなります。QOL(生活の質)を著しく低下させる疾患です。現在でも有効な治療法がありません。元衆議院議員の徳田虎雄さん、クイズダービーのレギュラーを務めたフランス文学の学習院大学教授・篠沢秀夫さんもこの病気で闘病中です。この難病が克服されることを願います。
リルゾール(商品名:リルテック サノフィ・アベンティス社)は、ALSの進行を遅らせる効果がある薬です。(エビデンスレベルA)。主な副作用は、倦怠感と嘔気です。
ALSについては日本ALS協会のサイトをご覧ください。
・日本ALS協会 http://www.alsjapan.org
・ALS LIVE TODAY FOR TOMORROW http://www.als.gr.jp
<参考>
第51回日本神経学会ランチョンセミナー
「ALS治療の進歩:新しい米国の診療指針を巡って」(コロンビア大学ALSセンター部長・三本博先生)

 6月5日は「環境の日」です。現在、世界中でCO2排出を減らそうと、取り組んでいます。自動車は二酸化炭素発生の20%を占めているといいます。近くへはなるべく自動車やバイクではなく、自転車や徒歩で出かけましょう。これは環境にいいばかりでなく、運動になり健康にも良いです。化石燃料を燃やすのではなく、内臓脂肪を燃やしましょう。エレベーターやエスカレーターよりも階段をできるだけ使いましょう。階段でトレーニングができます。電車の中では座るのではなく立ちましょう。立っているときの消費エネルギーは、座っているときの約2倍になります。
 福島第一原子力発電所の事故で、空気、土壤、海水などが放射性物質により汚染されました。放射性物質による環境の悪化です。これからは放射線についても注意しなくてはならない時代となりました。現在も事故は収束しておりません。注意深く監視していく必要があります。(放射線のサイトを載せる)

 6月は「食育月間」です。当院では管理栄養士による栄養指導を行っています。高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、肥満、糖尿病などは食事により改善が期待できます。「バランスよく 過不足なく 規則正しく よくかんで ゆっくりと 楽しく 食べましょう」「塩分を控えた和食は 世界一の健康食」新鮮なものを食べるようにしましょう。現在は食物を自給している方はほとんどなく、多くの場合食物を買ってきます。したがって食事療法は食品の買い物の時から始まっています。
 東日本大震災では、避難所の非常食としてカップめん、おにぎりなどが配られました。被災者には、高齢者が多く、流通が滞ったため高血圧などの薬が不足していました。更にストレスにより血圧が上がり、脳卒中や心臓病などで病院に運ばれる方が多発しました。避難所生活は長期化してきました。塩分が多く栄養的に偏った非常食は、見直しの時期にきていると思います。

 6月14日は、アルツハイマー病を報告したドイツ人医師アイロス・アルツハイマーの誕生日です。1864年生まれです。大正4年(1915年)12月19日、腎不全のため51歳で亡くなられました。アルツハイマー先生が報告した認知症は、現在の高齢社会においては非常に大きな課題です。
アルツハイマー先生の伝記です。
「アルツハイマー その生涯とアルツハイマー病発見の軌跡」コンラート・マウラー、ウルリケ・マウラー著 新井公人監訳 保険同人社

 6月10日は「時の記念日」です。生物には、「体内時計」があります。最近では「体内カレンダー」もあることがわかってきました。

 1931年(昭和6年)6月13日、細菌学者の北里柴三郎先生が脳出血で亡くなられました。78歳でした。北里先生は、嘉永5年12月20日(1853年1月29日)、現在の熊本県阿蘇郡小国町北里に生まれました。「破傷風菌の純粋培養」「ペスト菌の発見」など数々の業績を上げました。また、私立北里研究所の設立、慶應義塾大学医学部の創設、日本医学会の創立、日本結核予防協会の設立、恩賜財団済生会病院の設立、日本医師会の創設などに関わり、日本近代医学の父と呼ばれています。

 6月1日から7日まで「HIV検査普及週間」です。山梨県では平成21年に8人のHIV感染者・発症者が確認されました。最近は20、30代の男性が多いそうです。検査は非常に大切で、各保健所で匿名で受けることができます。完全予約制で無料です。採血から約1時間で結果を知ることができます。詳しくは各保健所にご相談ください。
・中北保健所(甲府市太田町)055-237-1403
・中北保健所・峡北支所(韮崎市本町)0551-23-3074
・峡東保健所(山梨市下井尻)0553-20-2752
・峡南保健所(富士川町鰍沢)0556-22-8158

 2007年(平成19年)のこの時期は、はしか(麻疹)が大流行しました。10代、20代で感染するケースが多く、学校が休校になるなど、大きな社会問題になりました。はしか(麻疹)対策には、ワクチンの接種率を上げることが大切です。2000年から2001年にかけ、はしか(麻疹)の大流行を経験した韓国は、流行をゼロにする国家プロジェクトを策定しました。その対策により、計画策定前の7~9歳のワクチン接種率は39%でしたが、2002年から2005年にはワクチンを2回接種し終えた子が対象年齢の95%を超えました。韓国ははしか(麻疹)の「排除」に成功しました(平成19年5月19日 山梨日々新聞)。日本ははしか(麻疹)対策に関して、韓国に遅れをとっています。はしか(麻疹)は第1段階:制圧(control)期、第2段階:集団発生予防(outbreak prevention)期、第3段階:排除(elimination)期の3段階に区分されていますが、日本はまだ第1段階で中国、インド、アジア・アフリカの多くの国と同じ段階です。先進国ではしか(麻疹)が排除されていないのは日本だけです。そのため、はしか(麻疹)の輸出大国と言われています。
 はしか(麻疹)に罹患すると、麻疹肺炎や麻疹脳炎を合併することがあります。麻疹脳炎では、10~20%が死亡し、20~40%に重篤な後遺症を残すといいます。また亜急性硬化性全脳炎(SSPE)というはしか(麻疹)罹患後5~8年後に発症する重症の脳炎があります。
 世界では、1999年、はしか(麻疹)で87万3000人が死亡しましたが、ワクチンが広く供給され、2005年には34万5000人に減少しました。日本では毎年50~100人がはしか(麻疹)により死亡されていると推定されています。日本では、はしか(麻疹)を軽い病気と考える誤解があり、誰でも乳幼児期にかかる感染症として軽く見る風潮があります。またワクチンの副作用に対する過度の危惧があります。
 はしか(麻疹)はポリオとともに痘瘡に続き根絶に向かっており、WHOでは日本を含む西太平洋地域で2012年までにはしか(麻疹)の発生をゼロにすることが正式に決定しています。
日本では、2008年度から中学1年生と高校3年生を5年間限定で定期接種の対象に追加しました。各対象年齢で接種率95%以上を目標にしています。しかし、山梨県の2009年12月末現在の接種率は中学1年生で59.9%、高校3年生で56.1%と全国平均を下回っています。山梨小児科医会では平成19年度から「山梨はしか(ましん)ゼロ作戦」を展開しています。
はしか(麻疹)に関しては、以下のホームページを参考にしてください。
・国立感染症研究所 感染症情報センター 麻疹(はしか)
 http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/
・国立感染症研究所 感染情報センター 麻しんQ&A http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/QA.html
・東京都感染症情報センター 麻しんQ&A http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/measles/measlesQA/mashinqanda.html
・「山梨はしか(麻しん)ゼロ作戦 Q&A集」 山梨県小児科医会
 http://www.kokumon.co.jp/kofuishi/yobou.pdf

 6月14日は「世界献血者デー」です。世界献血デーは、血液型を発見したオーストリアのカール・ラントシュタイナーの誕生日にちなんで2005年より設けられました。
・日本赤十字社 血液事業 http://www.jrc.or.jp/blood/index.html
・日本赤十字社 6月14日は「世界献血者デー」
http://www.jrc.or.jp/blood/news/l4/Vcms4_00001140.html

 食中毒の起こりやすい季節です。食中毒予防の3原則は、細菌を「つけない」「増殖させない」「殺菌する」です。魚や肉など傷みやすいものは、最後に買いましょう。帰宅したらすぐに冷蔵庫にしまいましょう。冷蔵庫に詰めすぎると温度が高くなり、冷蔵効果が低下しますので、注意してください。冷気が逃げないよう、冷蔵庫の開け閉めはすばやく行いましょう。
 食品が腐敗すると、色や味が変わったり、においがついたりします。これは腐敗菌により食品が分解されるからです。一方、食中毒菌は食品中で増殖しても食品を分解しないので、色や味も変わらず、においもつきません。腐敗していないからといって安心は禁物です。平成15年の厚生労働省の統計では、食中毒の原因施設で最も多いのが飲食店で53.7%、ついで多いのが家庭で15.9%です。
 原因となる細菌としては、サルモネラ、カンピロバクター、ウエルシュ菌、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌などがあります。
サルモネラ:肉類や卵などに付着している細菌で、十分な加熱で死滅します。殻にひびが入った卵は、特に菌が増殖しやすい状態になります。
カンピロバクター:肉類、特に鶏肉に付着している細菌で、十分な加熱で死滅します。レバーの刺身や湯通ししたささみなど、生や加熱が不十分な状態で食べる場合に、食中毒の原因になりやすい細菌です。
ウエルシュ菌:肉類や根菜類などに付着している細菌です。大なべでカレーやシチューなどを大量に調理した場合などに食中毒が集団発生することがあります。ウエルシュ菌は、高熱や乾燥などにさらされると固い殻に包まれた「芽胞」という状態になります。芽胞は熱に強く、加熱しても残存することがあります。温度が50度程度に下がると、ウエルシュ菌は芽胞の殻を破って増殖をし始めます。
腸炎ビブリオ:魚介類に付着している細菌で、海水温が17度程度になると活発に活動を始めます。熱や水道水には弱いのですが、冷凍しても生き残ります。増殖の速度が速く、室温に置いた1個の細菌が3~4時間後には約1000万個に増殖します。
黄色ブドウ球菌:人の皮膚や鼻腔などに存在する細菌で、特に傷がある部分に多く集まります。調理する人の手から、おにぎりや弁当などの食品に付着し、食中毒が起こることがあります。
病原性大腸菌:O-157が代表的なものです。O-157は、肉類や野菜類についており、十分な加熱で死滅します。
食中毒が起きると、下痢、嘔吐、発熱などが生じます。体内の水分が失われ、脱水になりやすいので、水分補給が重要です。下痢することにより、細菌を体内から排出しますので、安易に下痢止めを使用しないでください。
調理・保存のポイントです。
食材を洗う場合は、生で食べる野菜を先に洗い、次に魚などを洗うようにしましょう。
肉類の場合、「75度で1分間以上の加熱」を行うことが重要です。「赤い肉汁が出てこない」「切ると、中心部まで白くなっている」状態になれば、十分に加熱できたと判断してよいでしょう。ささ身を湯通しした場合など、表面は白くなっても中が赤い場合には、細菌が生き残っていることがあります。「生食用」以外は、必ず加熱するようにしましょう。
卵の場合、賞味期間とは生で食べることができる期間をいいます。賞味期間を過ぎたら十分に加熱してから食べるようにします。ゆで卵の場合は、半熟ではなく、固ゆでにします。また、なるべく早めに使い切るように心がけましょう。殻にひびが入った卵は、賞味期間内でも処分したほうが安全です。
カレー、シチューなどを前日に作りおきする場合は、小分けにするなどの工夫で速やかに冷やし、冷蔵庫で保存します。食べる前は、温める程度の軽い加熱ではなく、中心部がグツグツするまで(75度 1分以上)全体をよく混ぜながら加熱します。
魚介類は、購入後なるべく早く冷蔵庫に入れます。調理の際には、水道水などでよく洗ってから十分に加熱します。
おにぎりは、素手ではなくラップフィルムで包むようにして握ると安全です。水分が多いと細菌が増殖しやすいので、弁当箱のふたの裏に水分がたまらないよう、中身をよく冷やしてからふたを閉めましょう。
手や調理器をよく洗いましょう。手に傷のある場合は、使い捨ての手袋を使用しましょう。
まな板、包丁、ふきん、スポンジなどは常に清潔を保つよう心がけましょう。熱湯をかけると早く乾燥させることができます。
 参考になるホームページです。
・消化器now No.9 消化器Q&A 食中毒の原因はなんですか?食中毒を防ぐためには、どうすればいいのですか?
      http://www.jsge.or.jp/citizen/now/pdf/now9.pdf
・消化器now No.18 ずばり対談 専門医からの予防と治療のアドバイス
      食中毒の脅威が増している
  横浜市立市民病院感染症部長 相楽裕子、自治医科大学大宮医療センター消化器科教授 井廻道夫
      http://www.jsge.or.jp/citizen/now/pdf/now18.pdf
<参考文献>
 NHKテキスト きょうの健康 2005年6月号 p86~93
 NHKテキスト きょうの健康 2007年6月号 p84~87

 紫外線が強い季節となりました。紫外線は、波長の長いほうからUVA(320~400nm)、UVB(290
~320nm)、UVC(190~290nm)に分類されます。波長が短いほど、傷害性が強くなります。UVCは成層圏のオゾン層で完全に吸収されるので、地表には到達しません。UVAは窓ガラスを通過しますが、傷害性は弱くあまり問題とされません。地表に到達する紫外線で最も傷害性があるのがUVBです。
波長が長いほど、皮膚深部に到達し、UVBは表皮から真皮上層まで、UVAは真皮内まで到達します。
 紫外線は、直接的あるいは活性酸素発生を介して間接的にDNAをはじめ細胞の構成成分である膜脂質、蛋白成分に傷害を与え、がんのリスクを高めます。紫外線の細胞傷害には蓄積効果があります。
紫外線から目や皮膚を守りましょう。紫外線防止剤には、紫外線を反射させる「紫外線散乱剤」と、紫外線を吸収させる「紫外線吸収剤」があります。
 気象庁の紫外線情報です。http://www.jma.go.jp/jp/uv/
 ロート製薬の紫外線対策 http://www.rohto.co.jp/uv/
<参考文献>
 成人病と生活習慣病 vol.39 No5 上出良一 「紫外線と癌」p479-485

 暑い季節になりました。熱中症予防のため、こまめに水分を取りましょう。高齢者は喉の渇きを感じにくくなります。のどが渇いたら水を飲むのではなく、定期的に水を飲みましょう。
水分摂取は脳梗塞の予防にもなります。日本脳卒中協会のホームページはhttp://jsa-web.org/です。
・熱中症環境保健マニュアル2009 http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual/full.pdf
・日本体育協会 熱中症を防ごう http://www.japan-sports.or.jp/medicine/guidebook1.html
・環境省熱中症予防情報サイト http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke

 平成23年5月16日の山梨日日新聞に、毎日1個のリンゴを食べると、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールが半年後に23%減少したという記事が載っていました。これはアメリカ・フロリダ州立大学循環器科専門医による研究です。脂質異常症の食事療法として、リンゴを食べようということになるのかもしれません。

 6月19日は「父の日」です。お父さんの健康を脅かす病気に「前立腺がん」があります。前立腺がんは近年急増しているがんで、2020年には男性が罹患するがんの第2位になると予想されています。
ブルークローバー・キャンペーンとは、日本で急増している「前立腺がん」の「早期発見・適切治療の大切さ」を伝える活動です。
前立腺がんは、天皇陛下、米長邦雄さんも罹患されました。歌手の三波春夫さんは、前立腺がんのため平成13年4月14日に77歳で亡くなられました。早期発見が重要です。間寛平さんは、平成22年1月に前立腺癌と診断され、現在はサンフランシスコの病院で治療を受け、マラソンに復帰し感想されました。映画監督の深作
前立腺がんは、血液中のPSAという物質を測定することで早期発見が可能です。50歳を過ぎたら、年に1回はPSA検査を受けましょう。
・ブルークローバー・キャンペーン ホームページ http://www.asahi.com/blueclover
・What’s 前立腺がん http://www.zenritsusen.jp
前立腺がんの体験者が語る動画のサイトがあります。当事者の話には医療関係者にはない説得力があります。
・ディペックス・ジャパン(DIPEx-Japan) http://www.dipex-j.org

 専門医らにより作られた「働く世代の快眠10ヶ条」の第5条をご紹介します。
第5条 「夜―快適な眠りは自らの工夫で創り出す」
・ 就寝4時間前からのコーヒー、紅茶、緑茶などによるカフェイン摂取、また1時間前からの喫煙は寝付きを悪くし、眠りの質を低下させる
・ 睡眠薬がわりの寝酒は厳禁。眠りの質を低下させ、飲酒量の増加にもつながる
・ 翌朝早起きが必要なとき、眠ろうと意気込んで早々と床に入るのはかえって逆効果(普段の就寝時刻の2~4時間前は、最も寝付きの悪い時間帯)
・ 夕食から夜の適度な運動習慣は寝付きを助け、熟睡をもたらす
睡眠障害には①なかなか寝付けない入眠障害、②途中で起きてしまう中途覚醒、③朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒とパターンがあります。睡眠日記をつけ、睡眠パターンを知ることが大切です。

 「睡眠薬を飲むとボケる」という患者さんがいました。これは全くの誤解です。久留米大学医学部精神神経科学教室の内村直尚先生は次のように答えています。
睡眠薬を飲み続けてもボケになることはありませんので、安心してください。アルツハイマー病の発症率が睡眠薬の服用者で低かったとの報告もあり、睡眠薬により充分な睡眠をとり日中の活動度を上げることが、痴呆の予防に有効な可能性があります。ただ、睡眠薬を飲んでボケになるという誤解が生じた理由はいくつか考えられます。一つは睡眠薬による前向性健忘(ぜんこうせいけんぼう)です。前向性健忘とは、薬物を飲んでから眠るまでの間や途中起きた時の事柄を覚えていないという副作用です。高用量の服用やアルコールの併用で増強します。睡眠薬を飲んだらすぐに床につくこと、睡眠薬を飲んで就寝した後に起こされることがある場合(夜勤中の仮眠など)は睡眠薬を使用しないこと、アルコールと睡眠薬は絶対に一緒に飲まないことに注意してください。もう一つは睡眠薬によるふらつきの副作用です。いずれにしろ、これらの副作用は長期的なボケ(痴呆)と何ら関係ありません。(メディカル朝日 2004年9月より)
睡眠薬は正しく使用すれば安全性の高い薬です。
睡眠に関することについて次のホームページでも紹介されています。「快眠推進倶楽部:http://www.kaimin.info

 夜間や早朝の血圧が高いと心臓病・脳血管障害の危険が高いことが知られています。長時間作用する薬を選択するのですが、早朝高血圧をコントロールできないケースも多々あります。横浜・宮川内科小児科医院の宮川政昭先生は、早朝高血圧に対して、ニフェジピン徐放薬を寝る前に内服すると有用であることを示しています。
 暑い季節では、血圧が下がることがあります。血圧には季節変動があります。春・夏に降圧薬を減量し、秋・冬に増量することがあります。

 食品には栄養が表示されています。あるカップめんには1食(77g)当たり エネルギー:364kcal、たんぱく質:10.1g、脂質:16.0g、炭水化物:44.9g、ナトリウム:2.0gと表示されています。通常“食塩は1日6g以内に”と指導しますが、栄養表示では食塩量ではなくナトリウムとして表示されています。ナトリウムと食塩の関係は、食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1000です。カップめんに含まれるナトリウム2.0gとは食塩に換算すると5.08gに相当します。ナトリウム2.0gは食塩2.0gと間違えやすいので注意が必要です。アメリカではコレステロール、ビタミンA、ビタミンC、鉄含有量など日本では表示されていない項目も表示されています。また1日摂取量の何%が含まれているかきめ細かく表示されています。

 カロリークイズです。今回は揚げた場合のカロリーの変化です。次の食品は何カロリーでしょうか。1) なす 75g、2) なす75gを油で素揚げ、3) えび25g、4) えび25gの天ぷら、5) 豚ロース肉100g、6)豚ロース肉100gのフライ、7) じゃがいも50g、8) じゃがいも50gを皮付き4つ割りにして揚げた場合、9)じゃがいも50gをせん切りにして上げた場合、10) じゃがいも50gを細かいせん切りにして揚げた場合 現在は飽食の時代です。ついついカロリーを取り過ぎてしまいます。毎日体重を測って体重をコントロールしましょう。私も毎日体重を測定しています。

カロリークイズの答えです。1) なす 75g 14kcal、2) なす75gを油で素揚げ 109kcal、3) えび25g 23kcal、4) えび25gの天ぷら 63kcal、5) 豚ロース肉100g 314kcal、6) 豚ロース肉100gのフライ 494kcal、7) じゃがいも50g 39kcal、8) じゃがいも50gを皮付き4つ割りにして揚げた場合 48kcal、9) じゃがいも50gをせん切りにして上げた場合 67kcal、10) じゃがいも50gを細かいせん切りにして揚げた場合 126kcal エネルギーの少ないなすも揚げると高エネルギーに変わります。じゃがいもの例のように、細かく切って揚げると表面積が多くなり、油が多く吸収されエネルギーが高くなります。同じ食材でも調理法によりエネルギーが変わります。減量の取り組んでいる方は揚げ物を控えるようにしましょう。食べ方の基本は、「規則正しく」「バランスよく」「過不足なく」「ゆっくりとよくかんで」「楽しく」食べることです。間食はなるべく200kcal以内に抑えましょう。

 平成18年、TBSテレビで白インゲン豆によるダイエットが紹介され、それを実践した方に吐き気や下痢などの症状が出現しました。これは不十分な加熱が原因です。白インゲン豆には「レクチン」というたんぱく質が含まれており、これが吐き気や下痢といった中毒症状を引き起こします。レクチンは熱により変成し毒性は消失します。十分水に浸した後、沸騰状態で十分に煮るといった通常通りの調理法では安全に食べることができます。詳しくは厚生労働省のホームページをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/05/h0522-4.html
・独立行政法人 国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報 http://hfnet.nih.go.jp

 平成18年5月15日、県内のある温泉施設から基準を上回るレジオネラが検出されたと報道されました。(平成18年5月19日 山梨日々新聞)。レジオネラは土壌や水中に存在する菌で、肺炎の原因となります。レジオネラ肺炎は早期に適切な治療がなされないと重症化し、死亡する場合もあります。ヒトに感染したレジオネラは細胞内に存在しますので、通常の検査で検出困難です。またβラクタム剤やアミノグリコシドなどの抗生剤は効果がありません。マクロライド、ニューキノロン、リファンピシン等の抗生物質が有効です。もし、温泉に行った後に熱が出たら、必ず温泉に行ったことを医師に伝えてください。その一言が正しい診断、治療のヒントとなります。レジオネラについては次のホームページを参考にしてください。
・東京都健康安全研究センター レジオネラに関するQ&A http://www.tokyo-eiken.go.jp/topics/legionel/legionel.html

 平成18年のこの時期、多くの著名人が、がんのため亡くなりました。5月25日ロシア語通訳で作家の米原万里さん(56)は卵巣がん、5月29日俳優の岡田真澄さん(70)は食道がん、5月30日映画監督の今村昌平さん(79)は結腸がん・転移性肝がん、6月8日衆議院議員・財務大臣政務官の西田猛さん(50)は胃がん、6月13日指揮者の岩城宏之さん(73)は胃がん、咽頭がん、肺がんに罹患され、最後は心不全で亡くなられました。がんは日本人の死亡原因の第1位です。平成17年、がんで亡くなった方は32万5885人で全死亡(108万4012人)の30%を占めています。平成18年6月16日、「がん対策基本法」が成立しました。この法律の成立には、自らががんであることを国会で告白し、代表質問をした民主党の山本孝史さんの功績があります。山本さんは平成19年12月22日、胸腺がんのために亡くなられました。
「がん対策基本法」は平成19年4月1日から施行されました。「がん対策基本法」ではどの地域にいても専門的ながん医療がうけられるよう定められています。

 平成18年6月8日アメリカ食品医薬品局(FDA)は子宮頸がん予防ワクチンの使用を認可しました。日本でも平成21年12月より子宮頸がん予防ワクチンが使用できるようになりました。ヒトパピローマウイルスは、子宮頸がんの原因の一つです。このウイルスに感染していない女性にワクチンを接種すると子宮頸がんの70%は防ぐことができると予想されています。山梨県ではすべての市町村で公費助成の制度があります。

「闘病記ライブラリー」はインターネットで闘病記を紹介するサイトです。この特徴は病名ごとに闘病記を探すことができることです。病気とは、個人に起こった災害のようなものです。戦争や災害の体験が役に立つように、闘病記も参考になると思います。ただし、病気に対する正しい知識を持つことが大切です。「闘病記ライブラリー」には約700冊が登録されていて、目次や前書きを見ることができます。「闘病記ライブラリー」のアドレスは以下の通りです。 http://toubyoki.info
 鳥取県立図書館には「闘病記文庫」のコーナーがあります。約1100冊の蔵書があります(平成21年3月現在)。平成24年秋に開館予定の新山梨県立図書館にも是非、患者さんに役立つ本をたくさん置いてもらいたいと思います。

5月の健康 (2011年)

2011.05.11.07:48

5月の健康

 5月(皐月:さつき)となりました。2日は八十八夜、6日は立夏、21日は小満です。夏を思わせる暑い日があるかと思えば、寒い日があり、不安定な気候です。昼と夜の温度差が大きく体調を壊しやすい時期です。5月の後半になっても、夜は冷え込み、こたつをたたむことができないことがあります。また、5月は1年でもっとも紫外線量が多い月です。体調には十分注意してください。

 5月は、連休が多い月です。医療機関も休日の体制になります。体の調子が悪くなったときには、甲府市医師会救急医療センターにお電話ください。連休は、観光には良いかもしれませんが、診療所は休診に、病院は入院と救急の診療体制になり、十分な医療を提供できなくなります。連休前にしっかりと受診しましょう。また、健康には気をつけて、万が一体調を壊したら、早めに受診して下さい。連休明けまで待っている間に悪化することがあります。

 平成21年5月、日本にも新型インフルエンザ(H1N1)が入り込みました。今年も警戒を怠ることなく、注意が必要です。うがい、手洗い、周辺の消毒などの対策をしましょう。
 
 5月5日はこどもの日です。小児医療では、平成17年小児初期救急医療センターが始まりましたが、まだまだ十分とは言えません。小児科医が不足しています。山梨県にはこども専門病院がありませんが、周囲の都県には、すべてあります。東京都には、国立成育医療センターや都立小児総合医療センター、神奈川県の県立こども医療センター、埼玉県の県立小児医療センター、静岡県の県立こども病院、長野県の県立こども病院などです。がん医療同様、小児医療でも地域格差が認められます。
もし、山梨県にこども病院ができましたら、高度な小児医療を地元で受けることができます。家族と離れて県外の病院に入院するお子さんを減らすことができます。小児科医不足も解消することができます。若い小児科医の研修の場になり、小児医療の学びの場になります。優れた医療が行なわれれば、日本を代表する子ども病院となり、県外からも患者さんが受診されることにもなります。また、病院ができると町が発展します。県立中央病院や山梨大学附属病院がいい例です。病院という新しい職場ができ、雇用が生まれます。子どもの元気になる姿は、病院ボランティアに生きがいを与えます。自治体は厳しい財政事情ですが、是非、こども病院を作っていただきたいと切望します。
 子どもの人口は減っていきます。2005年、日本の総人口は1億2777万人に対し、14歳以下の人口は1752万人(14%)です。2030年になると日本の総人口は1億1522万人に、14歳以下の人口は1115万人(10%)に減少します。2055年には日本の総人口は8993万人、14歳以下の人口は752万人(8%)となりますその一方老年人口は増えていきます。将来更に顕著となる少子高齢化社会に今から考えていく必要があります。(参考 日本医事新報 No.4539 2011年4月23日 p46 大内尉義先生の論文より)
小学生の標準身長は次の通りです。
 (男子) 6.0歳:113.3cm、7.0歳:119.6cm、8.0歳:125.3cm、9.0歳:130.9cm、
10.0歳:136.4cm、11.0歳:142.2cm、12.0歳:149.1cm
 (女子) 6.0歳:112.3cm、7.0歳:118.8cm、8.0歳:124.6cm、9.0歳:130.5cm、
10.0歳:136.9cm、11.0歳:143.7cm、12.0歳:149.6cm
 男子で 6.0歳時104cm以下、7.0歳時109cm以下、8.0歳時114.5cm以下、9.0歳時119.5cm以下、10.0歳時124cm以下、11.0歳時120cm以下、12.0歳時133cm以下の場合、最終身長が159cm以下になる可能性があります。
 女子で 6.0歳時103cm以下、7.0歳時108.5cm以下、8.0歳時114cm以下、9.0歳時119cm以下、10.0歳時123.5cm以下、11.0歳時130cm以下、12.0歳時137cm以下の場合、最終身長が147.5cm以下になる可能性があります。成長曲線に身長と体重の記録をつけましょう。
 低身長のお子さんは、小学生の時に専門医の診察を受けましょう。適切な治療を受けると、標準身長に近づけることができます。中学生になると治療は難しくなります。「そのうち大きくなるだろう」と様子を見ていると、せっかくの治療の機会を失うことにもなりかねません。以下は参考になるホームページです。
・患者さんとご家族のための成長ホルモン治療情報サイト http://www.growthhormone.co.jp
・埼玉県立小児医療センター 成長ホルモン注射について
http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/405840.pdf
・低身長について(医薬・健康ニュース 第356号 平成14年7月)
http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/405841.PDF
・こどもの健全な成長発達へ 医療と地域・学校保健連携 (教育医事新聞 平成15年 第225号)
http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/405842.pdf
・もっと知りたい 成長のしくみ 第3回 うちの子はどのくらいおおきくなるのかしら?
http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/405843.pdf
・こころとからだのなんでも相談室 埼玉県立小児医療センター代謝内分泌科 望月弘先生
http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/405846.pdf
・もっと知りたい 成長のしくみ 第13回 成長と運動の深い関係
http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/373136.pdf
・教えてドクター!身長が低いのも個性の一つでも、病気が隠れていることも‥(リビングさいたま中央 平成20年3月)
http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/405851.pdf


 平成18年の日本国際賞は、コレステロールを下げる薬(スタチン)を発見し開発したバイオファーム研究所の遠藤章所長が受賞しました。平成18年4月18日、当時の小泉首相が遠藤所長と首相官邸で会い、そこでクリントン前大統領も脂質異常症の薬を服用していると遠藤所長は明かされました(4月19日 読売新聞)。現在、スタチンと呼ばれる薬には5種類あります。商品名でメバロチン、プラバピーク、リポバス、ローコール、リピトール、リバロ、クレストールと呼ばれている薬です。スタチン(プラバスタチン)の安全性、有効性はMEGA study という臨床調査で確認されています。
 スタチンは血管の中のコレステロールの塊(プラーク)を小さくしたり、プラークが破れて血管の中に血の塊(血栓)ができるのを防ぐ働きがあります。スタチンは肝臓でのコレステロール合成を抑え、胆汁のコレステロール濃度を低下させ、胆石症を発症しにくくします(Bormer M,et al.JAMA 2009;302:2001-2007)。
また慢性腎臓病においては、蛋白尿を減少させ、腎機能障害を抑える働きがあります。慢性腎臓病では高率に虚血性心疾患、脳血管障害が生じますので、スタチンによってLDLコレステロールを120mg/dl未満に、可能であれば100mg/dl未満にコントロールすることが重要となります。スタチンは腎機能障害があっても通常量を使うことができますが、ロスバスタチン(クレストール)は腎機能の程度によって減量する必要があります。
 スタチンには横紋筋融解症という副作用がごくまれに出ることがあります。しかし当院では1例も経験したことがありません。CKという酵素が上昇することがありますので、定期的に血液中のCKの値をチェックします。

 5月5日は、「薬の日」です。薬は、アルコールに例えるとよく理解できます。実際、薬理学ではアルコールを薬として扱っています。アルコールを飲めない方がいます。これはアルコールを分解する酵素の量に個人差があるためで、この方にアルコールを飲ませてはいけません。アルコールによる肝炎、膵炎、依存症、心筋症などは、アルコールによる副作用と考えればよいでしょう。しかし適切な量を、週2日の休肝日を作って飲めば、アルコールによる悪影響を低く抑えることができます。
 薬の「好ましい作用」と「副作用」の境界はあいまいです。例えは、発毛剤(商品名:リアップ)の主成分であるミノキシジルは、当初、血圧降下剤として開発されていました。しかしその副作用として多毛が出現しました。そこで発想を逆転させ、副作用に注目し発毛剤として使われるようになりました。また、毒を薬として利用する例もあります。ボツリヌス毒素は、ボツリヌス菌が作る毒素で、食中毒で死亡することがあるくらいその毒性は強力です。この毒素を希釈し、薬として、眼瞼けいれん、片側顔面けいれんなどの治療に使われます。現在ボツリヌス毒素の治療は、講習を受け知識と経験が備わった医師でなくては行うことができません。トリカブトは中毒を起こす植物ですが、漢方薬として利用されます。ジギタリスは毒草として有名ですが、強心剤という薬として使われています。薬と毒、有効な作用と副作用の境界がはっきりしないことがわかります。
 伝統的に使われている漢方薬にも、高血圧、低カリウム血症、間質性肺炎、間質性腎炎などの副作用が報告されています。腎機能が低下している患者さんは、薬が蓄積されやすいので、通常よりも少ない量で使うなど注意が必要です。ワーファリンは、血液を固まりにくくする薬ですが、効きすぎると出血した時、血が止まらなくなるおそれがあります。血液検査で血の固まりやすさを確認しながら、薬の量を調節していきます。今年から心房細動の血栓予防薬としてプラザキサ(ダビガトラン)が使用できるようになりました。脳血栓症の予防効果は、ワーファリンと同程度あるいはそれ以上、出血のリスクはワーファリンより低くなっています。この薬の登場で、より安全に治療を行うことが可能となります。
 当院では、定期的に血液検査をしていますが、それには肝機能や腎機能など自覚症状の現れにくい思いがけない薬の副作用を早期に発見する目的があります。医薬品安全対策情報を確認するなど、安全性には十分に注意して薬を使用しています。
セルバスタチン、トログリタゾン、ガチフロキサシン、テリスロマイシン、シサプリドなどは、安全性のために現在は使用されなくなりました。薬は、効果と安全性を十分に考慮して使用します。
 最近、ジェネリック医薬品を使用する機会が多くなりました。ジェネリックは先発品と成分は同じといわれていますが、中には効果に違いが見られる場合があるといわれています。薬の特性をよくわきまえて使用する必要があります。
 医師は、効果と副作用を考慮し、一人一人の患者さんに適した薬を選択します。処方された薬は、薬剤師により更に確認されます。処方薬は医師と薬剤師との二者で確認をします。
 医師法第20条では、「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない」と規定されています。医師の処方する処方薬は、診察なしで処方することはできないことをご理解いただきたいと思います。
 高血圧や脂質異常症、糖尿病などの薬は毎日飲まなくてはなりません。しかしつい飲み忘れてしまうことがあります。100%完璧に薬を飲むことは案外難しいものです。家族で薬の飲み忘れがないか、確認すると良いでしょう。2種類の薬を1剤にした合剤を用いると、飲み忘れが少なくなるといいます。当院でもできるだけ合剤を処方するように心がけています。
 5月5日は「国際助産師の日」でもあります。

 5月9日は“呼吸の日”です。肺はテニスコート1面分くらいの表面積を持っています。きれいな空気を吸って、肺を大切にしましょう。

 5月12日は“看護の日”です。5月12日は近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日で、これにちなんで昭和40年、国際看護師協会がこの日を「国際看護師の日」と定めました。ナイチンゲールは1820年生まれです。1910年8月13日、イギリス・ロンドンで90歳の生涯を閉じました。
 病院や診療所の看護師さん、地域の保健師さん、お産に関わる助産師さんなど、看護師さんはさまざまな場所で活躍しています。当院では訪問診療を行っていますので、訪問看護ステーションの看護師さんと強く関わっています。看護師さんによる訪問看護、医師による訪問診療を受けると、在宅にいながら入院と同じような医療を受けることができます。在宅医療は慢性疾患で安定している方や、最期まで在宅で過ごしたい方に向いている医療です。急性期疾患には向いていません。当院では「甲府在宅ネットワーク」のメンバーの一員として、診療所医師、病院医師、訪問看護師、薬剤師、歯科医師、栄養士、リハビリを担当する技師、ケアマネージャー等、在宅医療を担うメンバーと連携をとり、勉強会を行っています。在宅医療をご希望の方は、ご連絡ください。

 5月15日は、甲府盆地の風土病である日本住血吸虫症の研究に大きな貢献をされた宮入慶之助先生の誕生日です。宮入先生は、1865年(慶応元年)長野県長野市松代町西寺尾に生まれました。かつて地方病と呼ばれた日本住血吸虫症は、多くの山梨県民を苦しめました。1904年(明治37年)5月26日、岡山医科大学の桂田富士郎先生は、甲府市大里の三神家に飼われていたネコ「ひめ」の肝臓から寄生虫を発見し、日本住血吸虫と命名しました。1913年(大正2年)9月、宮入慶之助先生は、日本住血吸虫を媒介するのが貝であることを世界に先駆けて発見しました。その貝はミヤイリガイと呼ばれています。この発見によりミヤイリガイ対策が進み、1996年(平成8年)2月19日、「流行終息宣言」が出されました。日本住血吸虫の研究成果は、イギリスの医師Dr,Leiper、Dr,Atkinsonに影響を与え、彼らは、エジプトのビルハルツ住血吸虫の生活史を明らかにしました。
 宮入先生は、ノーベル賞候補に推薦されています。1946年(昭和21年)4月6日、亡くなられました。宮入先生の偉業を称え、1999年(平成11年)11月27日、宮入慶之助記念館が長野県長野市にオープンしました。
 住血吸虫症は今でも世界で約2億人の患者がいて、大きな問題です。
 宮入慶之助記念館 長野県長野市篠ノ井西寺尾2322 TEL 026-293-3828 http://www5.ocn.ne.jp/~miyairi/
 
 5月17日は“高血圧の日”です。高血圧対策に減塩は非常に大切です。高血圧では1日6g未満の減塩を治療目標とします。日本の平均塩分摂取量は11.2gです。イギリス、カナダ、アメリカの塩分摂取量は10g未満です。ケニアは5g未満、ブラジルのアマゾンに住むヤノマモはまったく塩分を取っていません。ハワイの日系人の塩分摂取量は6.5gです。
 山梨県民の1日の食塩摂取量は、12.7gと更に多くの塩分を摂取しています。年齢別では、20代で11.9g(全国平均10.4g)、30代で11.4g(全国平均10.4g)、40代で11.9g(全国平均11.1g)、50代で14.2g(全国平均11.9g)、60代で14.2g(全国平均12.0g)、70代で12.9g(全国平均11.1g)です。(やまなし県政だより ふれあい 特集号 vol.12 p14より)。他県と比べて、ボリュームたっぷりで濃い味付けを山梨県民は好むようです。
塩分は、調味料(とくにしょう油)、外食、加工食品に多く含まれています。塩分を控えるよう、心掛けましょう。1日の塩分摂取量は10gを越えないようにしてください。できたら8gにしたいです。理想は6gです。腎機能が低下している方が極端に塩分を控えると、今度は塩分不足になります。6±2gくらいが良いと思います。
 食品には栄養が表示されています。あるカップめんには1食(77g)当たり エネルギー:364kcal、たんぱく質:10.1g、脂質:16.0g、炭水化物:44.9g、ナトリウム:2.0gと表示されています。通常“食塩は1日6g以内に”と指導しますが、栄養表示では食塩量ではなくナトリウムとして表示されています。ナトリウムと食塩の関係は、食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1000です。カップめんに含まれるナトリウム2.0gとは食塩に換算すると5.08gに相当します。ナトリウム2.0gは食塩2.0gと間違えやすいので注意が必要です。アメリカではコレステロール、ビタミンA、ビタミンC、鉄含有量など日本では表示されていない項目や、1日摂取量の何%が含まれているかなどきめ細かく表示されています。
 高血圧を予防するには塩分を控えることが大切です。塩分を控えることは胃がん予防にもつながります。国立循環器病センターで紹介されている塩分を控えるための12カ条です。①薄味に慣れる:塩味の薄い食事に慣れることが第一歩です。調味料の味になるべく頼らないで、薄味に慣れてくると、素材の持ち味がわかるようになります。塩分計などを用いて、自分の味を確認するのもよいでしょう。②漬物・汁物の量に気をつけて:塩分の多い漬物や汁物は、食べる回数と量を減らしましょう。漬物は浅漬けか、塩出ししたものにします。汁物では野菜などの具の多いものにすれば、1回にとる汁の量が少なくなります。麺類を食べるときは、汁を残すようにします。③効果的に塩味を:献立にはいろいろな味付けを利用し、塩味は効果的に使うようにしましょう。塩は食品の表面にさっとふりかけると少なくても塩味を感じることができます。④「かけて食べる」より「つけて食べる」:しょうゆやソースなどは、かけて食べるより、つけて食べたほうが塩分の摂取量が少なくてすみます。⑤酸味を上手に使いましょう:酸味を上手に使って、献立の味付けに変化をつけると、塩分を減らすことができます。レモン、すだち、かぼすなどの柑橘類や酢などを和え物や焼き物に利用しましょう。⑥香辛料をふんだんに:とうがらしやコショウ、カレー粉などの香辛料は、塩分調節の強い味方です。⑦香りを利用して:ゆず・しそ・みょうが・ハーブなどの香りのある野菜、海苔、かつお節などを加えると、薄味のメニューにも変化がつきます。⑧香ばしさも味方です:香ばしさもまた塩分のとりすぎを抑えてくれます。焼き物にする、炒ったゴマやクルミなどで和えるなど、調理に利用しましょう。⑨油の味を利用して:揚げ物、油炒めなど油の味を利用して食べるのもよいでしょう。ごま油やオリーブオイルを食べる前に少しかけることで風味が増し、おいしく食べられます。ただし、脂質の摂りすぎにならないように気をつけましょう。⑩酒の肴に注意:酒の肴に合う料理は意外に塩分が多く含まれていますので、注意しましょう。⑪練り製品・加工食品には気をつけて:かまぼこ・はんぺん・さつま揚げなど魚の練り製品や、ハム・ソーセージといった肉の加工食品も塩分の多い食品です。食べる量に気をつけましょう。⑫食べ過ぎないように:せっかくの薄味の料理でもたくさん食べれば塩分の量もカロリーも多くなります。食べ過ぎないように気をつけましょう。減塩しょうゆや減塩味噌も使う量が多ければ塩分も増えます。使いすぎては意味がありません。
 そもそも調味料を使う動物は人間だけです。陸上の動物は、塩分の少ない環境に適応しています。魚に例えると陸上の動物は川の魚みたいなものです。塩分をたくさん摂ることは、川の魚を海で飼うようなものです。腎臓は塩分を保持することが本来の機能ですが、現在では塩分を排泄することが主な働きになってしまいました。
・血圧ドットコム http://www.ketsuatsu.com
・国立循環器病センター 循環器病あれこれ 
高血圧とのおつきあい(http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/bp/pamph04.html) 血圧の自己管理(http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/bp/pamph43.html) 高血圧治療の最新事情(http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/bp/pamph61.html) 血圧の話(http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/bp/pamph84.html
・塩を減らそうプロジェクト http://www.shio-herasou.com
<参考>
 「長寿の秘密」 家森幸男著 法研

 当院では家庭用血圧計で普段の血圧を測定することをすすめています。4月18日の山梨日々新聞の記事によりますと、高血圧の人の中で、目標値まで充分血圧をコントロールできている人は12.3%、毎日家庭で血圧を測定している人は4人に1人だそうです。血圧は目標値までしっかりと下げないと治療効果は充分とはいえません。1日を通して充分血圧がコントロールされていることが大切です。是非、毎日家庭で血圧を測定することを習慣としてください。当院の受診ノートには家庭血圧を記録できるページがあります。是非、活用してください。
 高血圧に診療は年々進歩しています。高血圧学会は「高血圧治療ガイドライン」を2000年に初めて発表し、その後2004年、2009年と改定されています。

 毎年5月25日から31日までの1週間は「脳卒中週間」です。2011年の標語は「脳卒中 決め手は予防と (もしや)の受診」です。脳卒中では以下のような症状が突然起ります。
・片方の手足、顔半分の麻痺、しびれ起こる。(手足のみ、顔のみの場合もあります)
・呂律が回らない、言葉が出ない、他人の言うことが理解できない。
・力はあるのに、立てない、歩けない、ふらふらする。
・片方の目が見えない、物が二つに見える、視野の半分が欠ける。
・経験したことのない激しい頭痛がする。
 重症のときは意識状態が悪くなることもあります。もしご自身や周りの人にこんな症状がみられたら、一刻も早く救急車を呼んでください。原則としてどんなに軽い症状でも救急車です。自分で車を運転して受診することは避けてください。途中で脳卒中の発作が出現した場合、交通事故になるおそれがあります。脳梗塞の場合、長く立っていると脳の血流が下がり悪化します。麻痺側を上にして寝かせてください。
日本脳卒中協会の脳卒中予防10ヶ条をご紹介します。
①手始めに 高血圧から 治しましょう 
②高すぎる コレステロールも 見逃すな ③糖尿病 放っておいたら 悔い残る 
④お食事の 塩分・脂肪 控えめに 
⑤不整脈 見つかり次第 すぐ受診 
⑥体力に 合った運動 続けよう 
⑦予防には タバコを止める 意思を持て ⑧万病の 引き金になる 太りすぎ 
⑨アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒 
⑩脳卒中 起きたらすぐに 病院へ 
日本脳卒中協会では脳卒中対策を法制化する取り組みを行っています。
日本脳卒中協会のホームページはhttp://jsa-web.org/です。

 1928年(昭和3年)5月21日、世界的な細菌学者である野口英世博士が、西アフリカ・アクラで黄熱病のため亡くなりました。51歳です。福島県耶麻郡猪苗代町出身です。

 5月31日はWHOが定めた24回目の世界禁煙デーです。5月31日から6月6日は禁煙週間です。
平成23年のテーマは「みんなで知ろう!たばこの規制に関する世界保健機構枠組条約」です。WHOの標語は「たばこの規制に関する世界保健機構枠組条約」(The WHO Framework Convention on Tobacco Control)です。世界中で禁煙に対するイベントが行われます。平成17年の2月、WHO世界タバコ規制枠組み条約が発効しました。これを受けて日本でもタバコ対策が進むものと期待されます。
神奈川県では、平成22年4月1日より「公共的施設における受動喫煙防止条例」が施行されました。これは松沢成文前知事の強力なリーダーシップで成立した条例です。日本初の条例で、全国から注目されています。松沢知事はこの条例制定の様子を「受動喫煙防止条例~日本初、神奈川発の挑戦~」(東信堂)で詳しく述べています。かながわのたばこ対策については、http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f6955/ をご覧ください。
 山梨県では「健やか山梨21」で9つの健康課題の一つとしてタバコを取り上げています。山梨県では受動喫煙対策を実施している施設を「禁煙・分煙認定施設」として認定しています。平成21年3月31日現在、1374施設が認定されています。南アルプス市開国橋近くのフランス料理店「シェフ・ド・フランス」や北杜市小淵沢町の「禁煙ペンションハート&ハート」は早くから禁煙として認定されている施設です。
 タバコがやめられない状態を現在では「ニコチン依存症」という治療すべき疾患と考えられるようになりました。平成18年4月からは条件を満たせば、禁煙治療が保険適用できるようになりました。現在、喫煙者の約60%の人がタバコをやめたい、減らしたいと考えています。しかしニコチン依存症のために、なかなかやめられません。禁煙をサポートするのが禁煙治療です。タバコはがん、心筋梗塞、脳梗塞、COPDなど色々な病気の原因になります。死亡を早めます。世界禁煙デーを機会に禁煙に挑戦してみたらいかがでしょうか。
 禁煙補助薬であるバレニクリン(商品名 チャンピックス)には時に吐き気の副作用が生じます。
上ヶ原病院の山東太介先生は、バレニクリンによるむかつきに漢方薬である六君子湯や五苓散を用い、症状が軽快したと報告しています。また禁煙に伴うイライラに抑肝散が有効であったとも報告しています。(第5回日本禁煙学会学術総会)
5月28日(日)、東京都中央区の独立行政法人国立がん研究センター内国際研究交流会館にて2011年世界禁煙デー記念シンポジウムが行われます。
詳しくは、 http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/kin-en/11.html にアクセスしてください。
・すぐ禁煙.jp http://sugu-kinen.jp では舘ひろしさんの禁煙の記録が動画で見られます。
・よぼう医学最新情報 喫煙者は、病気なんでしょうか?(前編) http://www.niwell.or.jp/health/no211/pct/trim211.pdf
・よぼう医学最新情報 喫煙者は、病気なんでしょうか?(後編) http://www.niwell.or.jp/health/no212/pct/trim212.pdf
・よぼう医学最新情報 喫煙者は、病気なんでしょうか?(実践編)『敬補くんの禁煙、事始め!!』 http://www.niwell.or.jp/health/no213/pct/trim213.pdf

 5月17日(月)から23日(日)まで「肝臓週間」です。毎年、5月の第4週は「肝臓週間」として定められています。肝臓病の主な原因はアルコール、肝炎ウイルス、肥満、薬物などです。肝臓はものを言わぬ臓器ですので、週に2日は休肝日を設けて肝臓をいたわってください。ウイルス性肝炎は肝硬変、肝がんに進行するおそれがあります。肝炎ウイルスが陽性の方は自覚症状がなくとも、専門医の診察を定期的に受けてください。山梨県は周辺の都県と比べ、肝がんが多い地域です。そのため肝疾患対策には力を入れています。
 ほとんどの肝がんは肝炎ウイルスが関与しています。肝がんの約80%にC型肝炎ウイルスが、約10%にB型肝炎ウイルスが関与しています。C型肝炎ウイルスによる肝がんは、肝臓の線維化が進むと発生しやすくなります。つまり、肝臓が硬くなると、がんが発症しやすくなります。肝臓の線維化が進み、肝臓が硬くなると血小板が低下してきます。血小板数をモニターしていく必要があります。現在では肝臓の硬さをエコーで見る方法もあります。
 山梨大学医学部附属病院では、肝疾患センターが設立されました。山梨県は元東京大学医学部附属病院消化器内科教授で、肝臓学の権威である小俣政男先生を地方独立行政法人山梨県立病院機構の理事長として迎え入れています。肝疾患の撲滅を願います。
肝臓がんは、血液検査でその動態を追いかけます。肝がんのマーカーとしてAFP、PIVKA?、AFP-L3があります。
・独立行政法人国立国際医療研究センター肝炎情報センター http://www.ncgm.go.jp/center/
・山梨大学医学部附属病院肝疾患センター http://www.hosp.yamanashi.ac.jp/chuo_shinryo/kan/
・C型肝炎ZERO http://www.kanenzero.jp
・C-kan.net http://www.c-kan.net

 平成19年5月3日、前大阪府知事でタレントの横山ノックさんが中咽頭(いんとう)がんのため、75歳で亡くなりました。中咽頭とは、口を大きく開けたとき、口の奥に見える場所のことです。日本では年間1000~2000人に発症するまれながんです。ほとんどが男性で、タバコと飲酒が関係しています。ノックさんも喫煙者でした。手術や放射線療法を受け、大変苦しい思いをしたのではないかと思われます。中咽頭がんについては、国立がんセンターがん対策情報センター がん情報サービスに詳しく紹介されています。
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/mesopharynx.html

 日本の平均寿命は世界一ですが、アメリカでも平均寿命は延びています。米国立保健統計センターによりますと、2003年のアメリカの平均寿命は77.6歳で過去最高となりました。しかしアメリカ国内においても、白人男性75.4歳、白人女性80.5歳、アフリカ系男性69.2歳、アフリカ系女性76.1歳と人種により平均寿命に大きな差があります。死亡率が減少した疾患は、心疾患、がん、脳卒中、自殺、インフルエンザ・肺炎、慢性肝疾患などです。逆に死亡率が増加したものはアルツハイマー病、腎疾患、高血圧、パーキンソン病です。アメリカの現状を参考に、日本でも対策を講じる必要があります。
 平成23年4月14日、アメリカ・モンタナ州のウォルター・ブルーニングさんが114歳で亡くなり、京都府京丹後市の木村次郎右衛門さんが男性長寿世界一になりました。木村さんは4月19日に誕生日を迎え、114歳です。女性の長寿世界一はアメリカ・ジョージア州の方で114歳ですが、第2位は同じく114歳の佐賀県の長谷川チヨノさんです。日本人は長寿民族です。高齢者の生活を見習いたいものです。

 専門医らにより作られた「働く世代の快眠10ヶ条」の第3条、第4条をご紹介します。
第3条 「朝―目覚めとともに体内時計がスタート。快眠の秘訣は起床時間にあり」
・ 毎朝決まった時刻に目覚め、起床後しっかり日光を浴びることが快適な睡眠につながる
・ 朝、活動を始めた体は、14~16時間後に眠りの準備を始める
・ 規則正しい朝食習慣は起床前から消化器の働きを活発にし、朝の目覚めを助ける
・ 休日の朝に平日より2時間以上長く床で過ごすと、夜の寝付きが悪くなり、憂うつな気分で月曜の朝を迎えることになりかねない
第4条 「昼―わずかな昼寝が午後の仕事効率を高める」
・ 昼休み、15分程度のわずかな昼寝が午後の眠気を減らし、仕事の効率を上げる
・ 休日に昼寝をするなら、午後3時までに起きる事。それ以後の昼寝は夜の睡眠の妨げに
睡眠障害には①なかなか寝付けない入眠障害、②途中で起きてしまう中途覚醒、③朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒とパターンがあります。睡眠日記をつけ、睡眠パターンを知ることが大切です。
睡眠障害には①なかなか寝付けない入眠障害、②途中で起きてしまう中途覚醒、③朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒とパターンがあります。睡眠日記をつけ、睡眠パターンを知ることが大切です。
睡眠に関することについて次のホームページでも紹介されています。
・快眠推進倶楽部 http://www.kaimin.info

 平成17年、自殺で3万539人の方が亡くなりました。自殺は日本人の死因の第6位です。男性が2万2230人で、女性の(8309人)2.6倍です。1988~1997年までの10年間の年間平均自殺者数は2万2410人でしたが、最近は8年連続3万人を越えています。これをうけ、平成18年6月「自殺対策基本法」が成立、同10月28日に施行されました。この法律では「国、自治体、医療機関、事業主、学校、民間団体など関係機関で相互に連携」して自殺対策に取り組むことが明記されています。自殺される方の多くにうつ病が関係しているといわれています。うつ病は、時間はかかりますが治る病気です。新潟県松之山町の1970~1985年の10万人当たりの自殺率は434.6人で全国の8.8倍でした。精神科医とかかりつけ医、保健師らが連携をとり高齢者うつ病の早期発見・早期治療に取り組みました。老人会や婦人会などの小グループへの「心の健康相談会」を1985~1990年に185回実施しました。その結果、1987~2000年の自殺率を4分の1まで抑えることができました。これはうつ病に対し適切に治療を行えば、自殺率を低下させることを証明しています。しかし自殺対策は医療ばかりでなく、社会全体で取り組むことが大切です。自殺対策が更に整備されることを期待いたします。うつ病に関しては次のホームページを参考にしてください。
・こころのくすり箱サイト http://utsu.jp
・うつばんネット http://www.utuban.net
・うつ・不安ネット http://www.cbtjp.net

 カロリークイズです。今回は和菓子です。次の食品は何カロリーでしょうか。①豆大福(105g)、②蒸しまんじゅう(35g)、③おはぎ(125g)、④練り切り(45g)、⑤串団子・しょうゆ(60g)、⑥串団子・あん(65g)、⑦柏もち(65g)、⑧どら焼き(90g)、⑨もなか(60g)、⑩カステラ(50g)、⑪水ようかん(65g)、⑫くずもち(90g) 
次にアルコール類です。次の食品は何カロリーでしょうか。①ビールジョッキ小(300ml)、②ビールジョッキ中(500ml)、③ビールジョッキ大(800ml)、④ビール・淡色(350ml)、⑤ビール・黒(350ml)、⑥ビール・淡色(250ml)、⑦ビール・淡色(135ml)、⑧白ワイン(100ml)、⑨純米吟醸酒(180g 1合)、⑩焼酎(200ml)、⑪ウイスキー・シングル(30ml)、⑫ウイスキー・ダブル(60ml) 答えは最後に。現在は飽食の時代です。ついついカロリーを取り過ぎてしまいます。毎日体重を測って体重をコントロールしましょう。
 当院では、減量、すなわち内臓脂肪を減らすよう指導しています。しかし体重を落とすこと、内臓脂肪を減らすことは容易なことではありません。「無尽や宴会などが多くて体重が減らない」と嘆く方もいらっしゃいます。宴会の時に周りの方と比べて食べるのが早くないですか。周りの方よりも早く食べ終わることはないですか。早食いは肥満に結びやすくなります。宴会の時は、早食い競争ではなくて、ゆっくり食べる競争をしましょう。

 腎機能の評価として、クレアチニン、尿素窒素がよく用いられます。しかしこれらは食事や筋肉量、脱水などの左右されることがあり注意が必要です。シスタチンCという検査は、食事や筋肉量、脱水の影響をうけにくい特徴があります。必要に応じてシスタチンCを調べ、腎臓の機能を確認します。

 「黒い便」この言葉を患者さんから聞くと医師は慌てます。すぐに胃カメラのできる医療機関に紹介します。「黒い便」は胃や十二指腸から出血しているサインです。以前、「黒い便」の患者さんが2人当院を受診されました。1人はほとんど自覚症状がありませんでした。すぐに胃カメラを受けていただき、2人とも入院になりました。私は消化管出血ですぐに病院を受診しなかったため、出血多量で亡くなってしまった方を経験しています。京都駅で吐血し、新幹線でかかりつけ病院である兵庫県赤穂市に向かいました。病院に到着後、速やかに緊急内視鏡を行いましたが、間に合いませんでした。
 現在は早く処置すれば消化管出血で亡くなるということはありません。もし「黒い便」を認めましたら自覚症状がなくとも早めに医療機関を受診するよう、お願いいたします。

カロリークイズの答えです。①豆大福(105g) 247kcal、②蒸しまんじゅう(35g) 91kcal、③おはぎ(125g) 316kcal、④練り切り(45g) 119kcal、⑤串団子・しょうゆ(60g) 118kcal、⑥串団子・あん(65g) 131kcal、⑦柏もち(65g) 135kcal、⑧どら焼き(90g) 256kcal、⑨もなか(60g) 171kcal、⑩カステラ(50g) 158kcal、⑪水ようかん(65g) 127kcal、⑫くずもち(90g) 131kcal 
アルコール類の答えです。①ビールジョッキ小(300ml) 118kcal、②ビールジョッキ中(500ml) 196kcal、③ビールジョッキ大(800ml) 314kcal、④ビール・淡色(350ml) 137kcal、⑤ビール・黒(350ml) 163kcal、⑥ビール・淡色(250ml) 98kcal、⑦ビール・淡色(135ml) 53kcal、⑧白ワイン(100ml) 75kcal、⑨純米吟醸酒(180g 1合) 194kcal、⑩焼酎(200ml) 274kcal、⑪ウイスキー・シングル(30ml) 70kcal、⑫ウイスキー・ダブル(60ml) 143kcal 食べ方の基本は、「規則正しく」「バランスよく」「過不足なく」「新鮮なものを」「ゆっくりとよくかんで」「楽しく」食べることです。間食はなるべく200kcal以内に抑えましょう。

 平成18年5月20日に小山明子さんの講演会「今日も二人で ~二人三脚で乗り越えた介護の日々~」を聴いてきました。平成8年、夫である映画監督の大島渚さんがロンドンで脳出血で倒れた時、小山さんは女優という仕事のため駆けつけることができませんでした。以来小山さんは女優を休業して夫の介護に専念してきましたが、「妻として失格」と自分を責め、うつ病になってしまいました。一度うつ病は軽快したのですが、糖尿病である夫の食事のことばかり気になり、再びうつ病が悪化してしまいました。うつ病から脱するきっかけになったのは、水泳や料理教室など外の世界に出ることでした。自分が楽しくなければいい介護ができないとおっしゃっていました。最後に次の「かきくけこ」を持つようアドバイスをいただきました。「か」感謝する、感動する 「き」興味を持つ 「く」工夫する 「け」健康 「こ」好奇心、(恋心)。小山さんの介護の体験から学ぶことの多い、素晴らしい講演会でした。当院では、小山さんの介護体験を綴った本「パパはマイナス50点」を待合室に置いてあります。興味のある方は是非、ご覧ください。

 便秘でマグネシウムを内服している方、高マグネシウム血症に注意が必要です。特に腎機能障害で特に起こりやすくなります。ときどき血液検査にてマグネシウムが高くなっていないか、確認しましょう。正常範囲内であれば心配ありません。


4月の健康 (2011年)

2011.04.02.17:17

4月の健康

 3月11日、東北関東大震災が発生いたしました。マグニチュード9.0の観測史上最大の地震です。地震ばかりでなく、津波、原子力発電所事故と三重の災害で、被害は甚大です。地震後もガソリンなどの物資不足、計画停電などで山梨にも影響を及ぼしています。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げ、早期の復興を願っています。
当院でも福島から非難された方が受診されました。慢性疾患の薬を処方いたしました。現地では薬が手に入らず、大変喜んでおりました。病気を患われている方にとっては、薬は水、食料と同様、不可欠なものです。薬は少し余裕を持って、手元に置いておきましょう。
 放射線被曝の予防や治療のために、ヨウ素を含む消毒液(イソジンなど)を服用するといった、誤った情報がインターネット上に流れました。インターネット上には誤った情報も存在します。信頼できる機関で情報を得るようにしてください。誤ってイソジンなどのヨウ素を含む消毒液を飲んでしまった場合は、牛乳を飲んで中和してください。
詳しくは、放射線医学研究所のホームページをご覧下さい。 http://www.nirs.go.jp/index.shtml
 震災のため、薬品工場も被害を受けました。エンシュアリキッド、チラージンS、漢方薬などの生産量が低下し、品薄の状態です。処方できない場合が生じるかもしれませんが、ご理解の程をよろしくお願いいたします。

 4月(卯月)となりました。新年度の始まりです。桜花の候、各地で花の便りが聞かれるようになりました。プロ野球は開幕し、ヴァンフォーレ甲府のJ1での活躍が期待されます。この時期、花見に出かけられる方も多いと思います。「花冷え」という言葉があるように、体調を壊しやすい季節です。花見に出かけた後、発熱した方もいました。くれぐれもお体にはお気をつけください。4月も下旬になると、当院のツツジも見事なピンク色の花を咲かせて、楽しませてくれます。

 桜の花の命は短いといいますが、桜の木は長寿です。日本三大桜である北杜市の山高神代桜は、樹齢1800年以上、幹回りは約11mで日本最大です。信玄公も見ていたかもしれません。人間には寿命がありますが、この桜は1800年も人々を楽しませ、これからも永遠に花を咲かせ続けることでしょう。いつまでも楽しみを与え続けたい、こんな桜のような生き方をしたいと思います。
 4月10日、当院は開院8年を迎えます。「春風や 闘志抱きて 丘に立つ」この高浜虚子の句を胸にこれからも地域の診療所として頑張りたいと思います。

4月30日(土)、5月21日(土)は臨時休診いたします。ご注意ください。

 この時期、信玄公祭りが行なわれますが、今年は東北関東大震災のため中止になりました。元亀4年(1573)4月12日、信玄公は夢を果たすことなく51歳で亡くなり、武田家は滅亡へと向かっていきました。武田信玄公最大のライバルである上杉謙信は天正6年(1578)3月13日、48歳で亡くなられています。死因は脳出血と考えられています。織田信長は47歳で、豊臣秀吉は62歳で亡くなっています。
 一方徳川家康は73歳まで生き江戸幕府を作り、毛利元就は74歳まで生き中国地方を統一しました。家康も元就も健康で長生きをしていたために大きな事業を成し遂げることができました。家康は鷹狩で足腰を鍛え、薬草を自ら調合していたそうです。戦国最強の武将の武田信玄公も上杉謙信も敵に破れたわけではありません。最大の敵は病でした。信玄公がもし、あと20年生きていたら日本の歴史は変わっていたことでしょう。健康で長寿であることの大切さを教えられます。歴史上の人物の寿命については、「日本史有名人の臨終図鑑」(篠田達明著 新人物往来社)に詳しく書かれています。
 風林火山は孫子の兵法から取ってきた言葉です。医療は病気との闘いです。孫子の兵法には、医療者にとっても参考になります。「風」のように早い診断・治療、「林」のように静かな療養環境・緩和医療、「火」のように激しい救急医療の現場、「山」のように動かない信念・意志。今年も風林火山の精神で頑張ります。
 
 毎年4月2日は「世界自閉症啓発デー」、4月2日から8日は「発達障害啓発週間」です。自閉症をはじめとする発達障害について、社会全体の理解を広め、ともに暮らしやすい社会になるように、国連が定めました。平成22年には、ジョン・レノンの妻であるオノ・ヨーコさんが初代の「自閉症啓発大使」に任命されました。世界にはおよそ100人に1人自閉症の方がいて、全世界では6000万人以上といわれています。映画「レインマン」では、ダスティン・ホフマンが自閉症のレイモンド・バビットを演じ、話題になりました。
世界自閉症啓発デーについては、
世界自閉症啓発デー・日本実行委員会 http://www.worldautismawarenessday.jp までアクセスしてください。

 1945年4月12日、アメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領が脳出血のため63歳で亡くなりました。ルーズベルトは1882年1月30日生まれで、日米開戦時の大統領で、終戦4ヶ月前の死です。重症の高血圧を患っておりましたが、当時は現在のような降圧薬はありませんでした。もしも現代と同じ水準の医療をルーズベルト大統領が受けていたら、世界の歴史は変わっていたかもしれません。
 当院では家庭用血圧計で普段の血圧を測定することをすすめています。その時は、必ず肩と肘の間の腕(上腕)で血圧を測定してください。手首や指先は不正確です。ある患者さんは、手首で血圧を測ると147/85mmHgでした。これでは高血圧と判断してしまいますが、上腕で測定すると109/59mmHgでした。全く正常な血圧です。血圧を測定する部位が変わると血圧も変わります。不正確な血圧で誤った判断をしてしまうおそれがあります。国際的にも血圧は上腕で測ると決められています。すべての血圧に関するデータは上腕で測定されたものです。安い、簡単という理由で手首や指先で測定する血圧計はおすすめできません。家庭での血圧を記録することにより多くのことがわかります。診察室で血圧が高いのに普段血圧が高くないものを白衣高血圧といいます。逆に診察室では血圧が高くないのに家庭で血圧が高いものを仮面高血圧といいます。1日のうちで朝の血圧が特に高いものを早朝高血圧といいます。家庭血圧は何回測定しても良いのですが、起床後1時間以内の血圧と晩(就寝前)の血圧測定が基本です。起床時の血圧を特に重視します。
 高血圧対策として、減塩は重要です。福岡大学名誉教授の荒川規矩男先生は、次のように述べています。「高血圧の主犯は食塩です。我々の先祖が今から3億年前に海から陸に這い上がってきた際に、体内のナトリウムをリサイクルする装置としてレニン・アンジオテンシン系と傍糸球体装置を発達させて、それによってほとんど無塩の陸上でも、我々人類を含めてあらゆる動物たちは海水とほぼ同じ組成の体液を保持してきました。ところが動物の中で人類のみが食塩の美味を覚え、しかも容易に入手できるようになって現代人は食塩を過剰に摂取するようになりました。そのためにレニン・アンジオテンシン系はある程度抑制されますが、それでもなお食塩を取り続けるために高血圧の発症を促進していると考えられます。高血圧の主犯は食塩であり、それを助けるたくさんの従犯のレニン・アンジオテンシン系はその長に値すると思われます。従って高血圧治療では、まず減塩と運動(ナトリウム利尿作用がある)が重要です。それでも不十分な場合には主犯対策としてのナトリウム利尿薬が有用であります。ただしナトリウム利尿に対して過剰に反発してくるレニン・アンジオテンシン系を同時に抑制することも重要です。」塩分を減らしましょう。当院では、減塩レシピを差し上げています。ご希望の方は、申し出てください。
・塩を減らそうプロジェクト http://www.shio-herasou.com

 平成18年4月1日、タレントの松本竜介さんが脳出血のため亡くなりました。49歳という若さです。松本さんは島田紳助さんとコンビを組み、漫才ブームの一翼を担った方です。平成17年の7月11日にはプロレスラーの橋本真也さんが40歳という若さで、脳幹出血のため亡くなっています。脳出血は高血圧と関連の深い疾患です。血圧が高い方は若いからといって安心できません。血圧は、十分に下げることが大切です。血圧の降圧目標は、若年・中年者で130/85mmHg未満、65歳以上の高齢者では140/90mmHg未満です。多くの高血圧患者さんは診療を受けていないという調査もあります。症状がないからといって放置せず、十分に血圧をコントロールしましょう。

 4月9日は「子宮の日」です。平成21年12月22日、日本でも子宮頸がん予防ワクチン「サーバリックス (グラクソ・スミスクライン社)」が使用できるようになりました。ほとんどの子宮頸がんは、ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)が関係しています。ハラルド・ツア・ハウゼン博士が、子宮頸がんとヒト・パピローマ・ウイルスの関係を明らかにし、ワクチンへの道を開きました。ハウゼン博士は平成20年にノーベル医学生理学賞を受賞しています。
このウイルスはありふれたもので、けっして特別なものではありません。したがってウイルスに対するワクチンを感染前に接種すれば予防することが可能です。子宮頸がんは、20~40歳代の女性において、罹患率がもっとも高いがんです。全国で毎年約1万5000人が罹患し、約3500人が亡くなっています。山梨県では毎年約30人が亡くなっています。平成3年、女優の仁科亜季子さんは38歳の時に、平成20年7月、三原じゅん子さんは43歳の時に子宮頸がんの手術を受けています。ZARDのボーカリストの坂井泉水さんも子宮頸がんを患っていました。
 ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)は約100種類あるといわれていますが、子宮頸がんと関係あるのは、「ハイリスク型」と呼ばれる約15種類です。特に「16型」「18型」が多く、子宮頸がんの約7割を占めています。ハイリスク型のヒト・パピローマ・ウイルスに感染しても、その約90%が免疫により自然消滅します。ヒト・パピローマ・ウイルスに感染した人のうち、がんが発生するのは、1/1000程度です。また感染からがんと診断されるまで、約5~10年、あるいはそれ以上の時間がかかります。
 子宮頸がん予防ワクチンは、ヒト・パピローマ・ウイルス「16型」「18型」に対するワクチンです。効果は、約20年といわれています。初回接種してから、1ヵ月後、6ヵ月後と計3回、筋肉注射をします。日本産婦人科学会と日本小児科学会は、11~14歳を接種対象者として推奨しています。ワクチンの副作用は、インフルエンザワクチンとほぼ同様です。接種後の痛みを強くしないために、接種部位はもまないで下さい。費用は医療機関により異なりますが、3回で約5万円ほどかかりますが、山梨県ではすべての市町村で公費助成制度があります。
子宮頸がん予防は、死亡や労働力の損失という社会的損失を減らし、医療費を削減する効果があります。また若い子宮を守るため少子化対策にもなります。仁科亜季子さんは、「子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成推進実行委員会」の共同代表発起人となり公費助成を訴えています。公費助成を行う自治体は増えています。
 ただし、ワクチンだけで完全に子宮頸がんを防ぐことは難しく、定期的な検診も大切です。日本の子宮頸がん検診受診率は、約24%と低く、特に20歳代は7%と極めて低い数字です。子宮頸がんのことをよく知り、ワクチンを接種し、検診も受けましょう。
 子宮頸がんは、検診で早期発見が可能ながんで、前がん状態で発見することもできます。子宮頸がんは、早期に発見できれば、病変部の切除だけでよいのですが、進行している場合には子宮を摘出しなくてはなりません。がんの発見される病期により、治療法が大きく異なります。妊娠・出産可能な20歳代、30歳代に、子宮頸がんのために子宮を摘出することがないように、20歳を迎えたら2年に一度は子宮頸がん検診を受けましょう。
 島根県出雲市は、子宮頸がん検診に熱心に取り組み、財政的負担を増やさずに検診受診率を向上させました。島根県立中央病院・母性小児診療部長の岩成治先生は、「ヒトパピローマウイルスはみんなに感染し、ほとんどが消える」「誰でも子宮頸がんになる可能性がある」「検診はヒトパピローマウイルスが消えたかどうかの確認検査」と説明しています。またヒトパピローマウイルス感染の陽性者対しては「感染していても90%は自然に消えるので、陰性になるまで毎年検診を続けて“がんにならないように”気をつけましょうね」と説明しています(「HPV insight 第2号」)。また、国立病院機構三重病院の神谷齊先生は、「今はあなたは子宮頸がんになるとは思わないけれど、女性として幸せな一生を送りたいと願うなら、麻疹や水ぼうそうと同じように子宮頸がんのワクチンも受けておきましょうね。」と説明しています(「HPV insight 第4号」)。
 是非、子宮頸がん予防ワクチンを受けましょう。お子さんやお孫さん、大切な方が子宮頸がんで命を落とさないよう、周囲の方にも声をかけてください。「子宮頸がん死ゼロ」を目指しましょう。
当院でもワクチン接種は可能です。ワクチン接種可能な山梨県内の医療機関は、山梨県産婦人科医会 電話055-228-8385 までお問い合わせください。
・子宮頸がん情報サイト http://allwomen.jp
・子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成推進実行委員会 http://hpv.umin.jp
・子宮頸がんをなくそうオレンジクローバーキャンペーン http://www.orangeclover.org
 子宮の病気には、そのほかにも子宮体がん、子宮筋腫などがあります。

 花粉症診察では、どんな植物がアレルギーの原因になっているか検査をします。これは採血で簡単にわかります。植物ばかりでなく、ダニ、ハウスダスト(ほこり)、イヌやネコのふけなどにアレルギーがないか調べます。スギによるアレルギーが一番多いのですが、中にはスギ以外の植物にアレルギーがある方がいます。ダニ、ハウスダストにアレルギーがある方には、部屋の掃除をこまめにするようアドバイスします。なかには、アレルギーになる原因がなく花粉症だと思い込んでいる患者さんもいました。アレルギーの原因を調べるとより適切なアドバイスができますので、検査を受けられることをおすすめいたします。
花粉症は人間だけの病気ではありません。群馬県桐生市の桐生が岡動物園のニホンザルも花粉症の症状で悩まされています。目をこすりすぎて真っ赤に腫れてしまいました。なかなかいい解決策がなく動物園の職員も頭が痛いところです。
 服の素材によりスギ花粉の付き方に違いがあります。ポリエステルやウールは花粉が付きやすく、レーヨンは付きにくい素材です。花粉のシーズンには素材を選ぶことも大切です。ヒノキにアレルギーがある方はヒノキの花粉の飛散状況にも注意しましょう。山梨県のスギ・ヒノキ花粉の飛散状況は山梨環境アレルギー研究会のホームページで知ることができます。 http://www.ykafun.umin.jp/2.html

 4月の最終水曜日は「国際盲導犬の日」です。今年は4月27日です。身体障害者のサポートする補助犬には盲導犬、介助犬、聴導犬があります。現在日本で働いている盲導犬は1070頭(平成22年3月31日現在)。それに対し盲導犬を必要としている視覚障害者は7800人です。介助犬は50頭(日本介助犬協会のホームページより)、聴導犬は27頭(平成22年12月現在)しかいません。中国には盲導犬が1頭もいませんでしたが、育成する事業が始まり、北京オリンピックの時には盲導犬を利用している方は、6名になりました。
 1819年にウィーンの神父が訓練したものが世界初の盲導犬といわれています。昭和13年、アメリカ人青年のゴルドン氏が盲導犬と伴に来日されました。これが日本と盲導犬との初めての出会いになりました。昭和14年、ドイツで訓練を受けた盲導犬4頭が日本に輸入されました。日本では塩屋賢一さんが河相洌さんの愛犬、シェパードのチャンピィを訓練し、日本での盲導犬第一号に育て上げました。昭和32年のことです。盲導犬は26種類の指示を理解することができます。指示は英語で行われます。盲導犬クイールのお話はドラマや映画となり、話題となりました。
 盲導犬をはじめとする補助犬はまだまだ足りません。人のために働いているワンちゃんに対してもっと理解を深め、活躍して欲しいものです。補助犬については次のホームページで詳しく紹介されています。 
日本盲導犬協会 http://www.moudouken.net
日本介助犬協会 http://www.s-dog.jp
日本聴導犬協会 http://www.hearingdog.or.jp

 4月11日は「世界パーキンソン病デー World Parkinson’s Day」です。この病気の名前となった医師James Parkinsonは、1755年4月11日、イギリス・ロンドンで生まれました。パーキンソンは、医師であると同時に化石学者でもあり、パーキンソンの学名がつく化石が存在します。1817年、パーキンソンが62歳のとき「振戦麻痺に関する論文 An Essay on the Shaking Palsy」を著しました。7年後の1824年12月21日、69歳で亡くなっています。その後その論文は注目されていませんでしたが、1888年、フランスの著名な神経内科医シャルコー(Jean-Martin Charcot)により、振戦麻痺、筋剛直を伴う疾患を「パーキンソン病」と名づけられました。
パーキンソン病は、手足の震え、筋肉が緊張した状態になる筋固縮、動作の緩慢(無動)、姿勢が傾いたときにそれを反射的に立て直すことができなくなる姿勢反射障害が特徴的な症状です。これを4大症状といいます。それに加えて便秘、排尿障害、嚥下障害、起立性低血圧、抑うつ気分、睡眠障害などが起こることもあります。パーキンソン病の進行度は、ヤール重症度で分類されます。
 パーキンソン病は、脳の黒質―線条体と呼ばれる部位のドーパミンという神経伝達物質が不足した病態です。ドーパミンは1957年にMontaguによって動物の脳に発見されました。1960年、Ehringer&HornikiewiczとSanoによって、パーキンソン病患者の脳でドーパミンが減少していることが発見されました。したがって、パーキンソン病の治療はドーパミンを補うことが中心となります。パーキンソン病の薬は、多種あり、適切に使うことが大切です。内服薬以外に機能的外科手術(脳深部刺激療法 DBS: deep brain stimulation)があります。また遺伝子治療も注目されており、日本では自治医科大学が精力的に研究を行っています。
パーキンソン病は、けっして珍しい病気ではありません。日本では現在10万人あたり150人の罹患率といわれています。ヒットラーもパーキンソン病を患っており、晩年には、振るえた小さな字でサインをしています。そのほかにも映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に出演したマイケル・J・フォックス Michael J.Fox、プロボクサーのモハメド・アリ、ドイツの政治家・フンボルト、ノルウェーの詩人・ウェルハーヴェン、画家のダリ、イギリスのプロサッカー選手・レイ・ケネディもパーキンソン病を発症しています。
 パーキンソニズムというパーキンソン病と症状が似ていますが、原因が違う病態があります。パーキンソニズムを呈する疾患として、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症などがあります。また、脳血管障害や薬剤でパーキンソニズムを呈することもあります。パーキンソン病と区別することが大切で、専門医による診察が必要です。また、パーキンソン病の経過中に幻視や認知症のような症状が出たらレビー小体型認知症を疑います。その場合も専門医にご相談ください。
・全国パーキンソン病友の会 http://www.jpda-net.org
・脳プロブレム!.com パーキンソン病DBS http://www.nouproblem.jp/DBS/index.html
・パーキンソン病よろず相談所 http://www.parkinson.gr.jp
マイケル・J・フォックスの基金です。
・The Michael J Fox Foundation for Parkinson’s Research http://www.michaeljfox.org/about.cfm

 1986年(昭和61年)4月26日、旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所の放射線漏れ事故が発生しました。被曝により多くの住民に放射線による障害が生じました。子どもたちには甲状腺がんが多発しました。信州大学医学部の外科医、菅谷昭先生は、助教授の職を辞して、被爆者の多い町ベラルーシに渡りました。最新の甲状腺の手術法を現地の医師に教え、活躍されました。
 現在、菅谷先生は松本市長として市民の健康を守る活動をしています。松本市の最重要課題は3Kです。すなわち「健康づくり」「危機管理」「子育て支援」です。そして2008年からは「健康長寿延伸都市・松本」の創造に向けて活躍しています。
 菅谷松本市長は、メディカルトリビューン(2010年5月13日)にて次のように語っています。
「“健康寿命”とは、介護の世話にならず、健康で自立して暮らすことのできる生涯の期間である。従って健康寿命を延伸するためには、介護や病気等の期間を極力少なくしていく必要がある。この健康長寿延伸都市戦略は、赤ちゃんからお年寄りまで、市民それぞれが健康長寿を全うすることであり、まさに“超少子高齢型人口減少社会”における最も基本的な姿と思われる。そのためには“身体的、精神的、そして社会的な健康水準を高める”ことを主眼とする“まち”を構築すべきものと考える。」「時代を先取りする新たな都市モデルとして、日本全国、ひいては世界に向けて発進していきたいものと密かに願っている。」松本市の取り組みに注目していきたいと思います。菅谷市長は、ご自身の健康状態をホームページ上に公開しています。
 松本市 http://www.city.matsumoto.nagano.jp/
 松本市 こんにちは市長です http://www.city.matsumoto.nagano.jp/aramasi/sityo/index.html
 健康寿命延伸都市・松本 http://www.city.matsumoto.nagano.jp/kenkojumyo/index.html
  「市長が語る松本のまちづくり」という動画があります。

 気象庁のホームページに紫外線情報があります。この時期、紫外線が強くなります。日中、日光に当たりすぎないよう注意しましょう。また、黄砂の季節でもあります。黄砂で花粉症などのアレルギー性疾患が悪化すると指摘されています。黄砂が多い日にはマスクをするなど心掛けましょう。
黄砂情報は気象庁のホームページをご覧ください。http://www.jma.go.jp/jp/kosa
気象庁のホームページはhttp://www.jma.go.jp/index.htmlです。

 専門医らにより「働く世代の快眠10ヶ条」をご紹介します。
第1条 「充分かつ快適な睡眠で、仕事のやる気と効率がアップ」
・ 充分かつ快適な睡眠で疲労回復・ストレス解消をはかり、やる気にあふれた毎日を
・ 充分かつ快適な睡眠が得られないと、高血圧、糖尿病、心臓病、脳卒中など生活習慣病のリスクが上昇する
・ 充分かつ快適な睡眠が得られないと、うつ病など心の病のリスクが上昇する
・ 充分かつ快適な睡眠は、仕事の能率をアップし、交通事故や労働災害のリスクを低下させる
第2条 「睡眠時間は人それぞれ。日中の充足感が快適な睡眠のバロメーター」
・ 人それぞれの適した睡眠時間があり、8時間睡眠にはこだわらない
・ 眠気がなく、気力の充実した状態で仕事をこなせる時の睡眠時間が、あなたの理想的な睡眠時間
・ 年齢を重ねると、必要な睡眠の時間は短く、眠りは浅くなるのが一般的
睡眠障害には①なかなか寝付けない入眠障害、②途中で起きてしまう中途覚醒、③朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒とパターンがあります。睡眠日記をつけ、睡眠パターンを知ることが大切です。
第3条は次回紹介いたします。睡眠に関する情報は、次のホームページでも紹介されています。「快眠推進倶楽部:http://www.kaimin.info

 カロリークイズです。今回はとんかつ・ステーキについてです。次の食品は何カロリーでしょうか。①豚ロース(生)(120g)、②豚ロース(120g)をカツにすると、③豚もも(生)(120g)、④豚もも(120g)をカツにすると、⑤豚ヒレ(生)(120g)、⑥豚ヒレ(120g)をカツにすると、⑦牛サーロイン(生)(200g)、⑧牛サーロイン(200g)をステーキにすると、⑨牛ヒレ(生)(200g)、⑩牛ヒレ(200g)をステーキにすると、 
次に洋菓子です。①ショートケーキ(110g)、②チョコレートケーキ(115g)、③焼きチーズケーキ(140g)、④レアチーズケーキ(160g)、⑤アップルパイ(185g)、⑥洋梨のタルト(80g)、⑦ミルフィーユ(90g)、⑧モンブラン(95g)、⑨シフォンケーキ(100g)、⑩シュークリーム(70g)、⑪ワッフル(40g)、⑫バームクーヘン(35g  1/8切れ) 答えは最後に。現在は飽食の時代です。ついついカロリーを取り過ぎてしまいます。毎日体重を測って体重をコントロールしましょう。

 平成17年3月27日に県立中央病院の緩和ケア病棟を見学に行ってきました。この病棟は治療が困難となったがんの終末期患者さんに対し、病状の進行に伴う身体的・精神的・社会的および霊的な苦痛を緩和することを目的に作られました。一般病棟とは違い、全室個室です。心やすらぐ絵画、富士山を眺められる展望風呂、家族との対話を大切にする談話室など、患者さんが快適に過ごせるような工夫が建物にも見受けられます。末期がん患者さんでいろいろとお困りの方はご相談ください。緩和ケア外来は原則として紹介による受診となっています。

 平成17年より県立中央病院では県内初の女性専門外来が始まりました。これは女性特有の病気や生活様式を考慮し、女性医師が十分な時間をとり診察する専門外来です。完全予約制ですので、ご希望の方は県立中央病院女性専門外来に連絡してから受診してください。電話番号は055-253-7111です。

 WHOの報告によりますと、2003年において日本の平均寿命は82歳で世界一です。最も平均寿命の短い国は、アフリカ南部のスワジランドで35歳と、長寿国と大きな差があります。2050年の平均寿命も日本がトップで88.1歳と予想されています。日本でも地域によって平均寿命には差があります。2000年の調査では、男性のトップが長野県で78.90歳、山梨県は第18位の77.90歳です。女性のトップは沖縄県で86.01歳、山梨県は第8位の85.21歳です。山梨県内でも地域により平均寿命に差があります。旧市町村別になっていますが、2002年のデータでは、県内のトップは三珠町と白州町で82.8歳、第3位は小淵沢町で82.7歳、第4位は南部町で82.6歳、第5位は一宮町、増穂町、玉穂町で82.5歳、第8位は市川大門町、若草町で82.2歳、第10位は竜王町で82.1歳、第11位は甲府市、春日居町、芦川村、富沢町、芦安村、甲西町、双葉町で81.9歳、第18位は鰍沢町、田富町で81.8歳、第20位は韮崎市、三富村、御坂町、豊富村で81.7歳、第24位は塩山市、勝沼町、八代町、境川村、八田村、足和田村、上野原町で81.6歳です。
 世界有数の長寿国日本もかつては世界有数の短命国でした。明治33年(1900年)の平均寿命は、男37.99歳、女39.24歳です。男女ともに平均寿命が50歳を超えたのは昭和22年(1947年)です。栄養状態の改善、感染症対策が進み、先人達の努力により今や世界に誇れる長寿国となりました。(参考文献 柴田博 日本医事新報 2004年11月13日 p100)

 カロリークイズの答えです。①豚ロース(生)(120g) 377kcal、②豚ロース(120g)をカツにすると608kcal、③豚もも(生)(120g) 190kcal、④豚もも(120g)をカツにすると420kcal、⑤豚ヒレ(生)(120g) 161kcal、⑥豚ヒレ(120g)をカツにすると392kcal、⑦牛サーロイン(生)(200g) 472kcal、⑧牛サーロイン(200g)をステーキにすると592kcal、⑨牛ヒレ(生)(200g) 310kcal、⑩牛ヒレ(200g)をステーキにすると430kcal
豚肉、牛肉は部位によりエネルギーが異なります。ヒレ肉のカロリーが低いですね。カツやステーキなどに調理するとカロリーがグーンとアップします。
 洋菓子の答えです。①ショートケーキ(110g) 374kcal、②チョコレートケーキ(115g) 359kcal、③焼きチーズケーキ(140g) 435kcal、④レアチーズケーキ(160g) 438kcal、⑤アップルパイ(185g) 586kcal、⑥洋梨のタルト(80g) 162kcal、⑦ミルフィーユ(90g) 434kcal、⑧モンブラン(95g) 327kcal、⑨シフォンケーキ(100g) 210kcal、⑩シュークリーム(70g) 175kcal、⑪ワッフル(40g) 103kcal、⑫バームクーヘン(35g  1/8切れ) 153kcal 食べ方の基本は、「規則正しく」「バランスよく」「過不足なく」「ゆっくりとよくかんで」「楽しく」「新鮮なものを」食べることです。間食は200kcal以内に抑えましょう。

 元小池百合子環境大臣が肺炎治療のため平成17年3月29日から4月14日まで入院しました。激務で抵抗力が低下したためと思われます。私達はバイ菌に囲まれており、常にバイ菌と戦っています。抵抗力が落ちるとバイ菌の勢いが強くなり、肺炎などを引き起こします。疲労がたまったら無理せずに十分な休養を取りましょう。抵抗力の落ちている高齢者にとって肺炎は怖い病気です。高齢者肺炎の一番の原因菌は「肺炎球菌」です。肺炎球菌に対してはワクチンがあり、肺炎の死亡率を減らし、医療費も減らすことができます。現在、山梨県では甲府市と市川三郷町に肺炎球菌ワクチンの公費助成制度があります。4月からは甲斐市も公費助成を行います。「肺炎球菌ワクチン」を希望される方はどうぞご相談ください。

 「自覚症状がないから大丈夫」と思っている方がいらっしゃいますが、そうとは言い切れません。がんの初期、糖尿病、高血圧、高脂血症、骨粗鬆症、いずれも自覚症状がありません。激しい胸痛が特徴である心筋梗塞でさえも糖尿病の方では自覚症状がないことがあります。これを「無痛性心筋梗塞」といいます。腎臓や肝臓は相当悪くならないと自覚症状が現れません。ものを言わぬ臓器と言われています。自覚症状のない病気を早期発見するためには検査しかありません。少なくとも年に1回は検診を受けましょう。

 平成18年4月3日、元NHKアナウンサーでエッセイストの絵門ゆう子さんが転移性乳がんのため亡くなりました。49歳という若さです。絵門さんは、乳がんの患者さんとしてメッセージを発してきました。がんであっても自分らしく1日1日を大切に生きてきました。絵門さんのメッセージは、ホームページ「ゆっくり生きよう 絵門ゆう子のメッセージ」 http://www.asunet.net/emon で見ることができます。乳がんに限らずどんながんでも早期発見・早期治療が大切です。早期乳がんは、95%治癒します。年に1回は検診を受け、月1回は自己検診をしましょう。乳がんの医療は大変進歩しています。山梨県立中央病院では、「ラジオアイソトープ法によるセンチネルリンパ節生検」という新しい技術で、できるだけ患者さんの負担の少ない手術を行なっています。乳がん担当の中込博先生は日本乳癌学会認定の乳腺専門医です。また毎月第2土曜日、1時30分から「さくらの会」という乳がん患者さんの自助会が、県立中央病院にて開かれています。乳がん患者さんの体験をうかがうことができます。乳がんで心配のある方は、参加してみたらいかがでしょうか。乳がんに関して次のホームページでも詳しく紹介されています。
「乳がん.jp」http://www.nyugan.jp

 「内科学」は非常に幅が広く深い領域です。医学・医療は日進月歩で、その分野に精通している医師が専門医です。甲状腺疾患はときどき見かけますが、専門医が全国的に少ないのが現状です。社会保険山梨病院の池田眞人先生は、数少ない甲状腺専門医です。「甲状腺ホルモンの核内受容体」が主な研究テーマで、アメリカハーバード大学への留学経験があります。池田先生は糖尿病教室で、患者さんや家族の方にわかりやすくお話をしています。社会保険山梨病院の糖尿病教室は毎週火曜日、午後2時30分から4時まで4階会議室で行なわれています。詳しくは社会保険山梨病院栄養課(055-252-8831内線239)までお問い合わせください。

 コメディアンの植木等さんが平成19年3月28日、呼吸不全のためなくなりました。80歳でした。植木さんは肺気腫を患われていて、平成18年に亡くなられた青島幸男さんの通夜には、酸素チューブを鼻につけながら参列しました。肺気腫は現在、慢性閉塞性肺疾患(COPD:Chronic Obstructive Lung Disease)と呼ばれています。その主な原因はタバコです。植木さんは、酸素を吸わなくては外に出られないほど肺の機能が低下していました。相当息苦しい生活をしていたことでしょう。肺気腫(COPD)の息苦しさは、がんの痛み以上に苦しいものです。平成18年の11月16日、俳優の仲谷昇さんは、この病気のために77歳で亡くなられました。ミュンヘンオリンピックで優勝した男子バレーボールチーム監督の松平康隆さんはこの病気と闘っています。肺気腫(COPD)は予防可能な病気です。受動喫煙も含め、タバコの煙を吸わないことが大切です。

 平成19年4月1日より、がん対策基本法が施行されました。この法律には、患者の価値観に基づいた選択の尊重、がん医療の地域格差是正、地域ごとの医療連携体制整備、政策決定への患者参加などが明記されています。第6条には「国民は、喫煙、食生活、運動その他の生活習慣が健康に及ぼす影響等がんに関する正しい知識を持ち、がんの予防に必要な注意を払うよう努めるとともに、必要に応じ、がん検診を受けるよう努めなければならない」と記されています。
 日本では毎年約60万人ががんと診断され、32万人が亡くなっています。男性の2人に1人が、女性の3人に1人ががんになると考えられています。世界では毎年1000万人ががんと診断され、600万人ががんで亡くなっています。アメリカは1971年に「国家がん法」を成立させました。その後、喫煙率の減少、食生活の改善、検診の充実、がん医療の進歩などの対策を進め、現在アメリカではがんで亡くなる方は減少しています。がん対策を進めれば、がん死亡を減らすことは十分可能であることを証明しています。
 早期発見・早期治療のために検診が重要です。日本では、行政検診の対象とされている5つのがん(胃がん、子宮頸がん、乳がん、肺がん、大腸がん)の平均検診受診率はわずか17%です。アメリカでは2年に1回以上マンモグラフィーによる乳がん検診を受けた人は80%以上ですが、日本では年間5%にも達していません。
 山梨県では平成19年4月から「地域がん登録事業」を始めました。これは、県内の医療機関におけるがん情報を県が集計し、がんの実態を把握し、がんの予防や治療に役立てるものです。がんは、日本人の第1位の死因です。がん対策が進み、がんによって苦しんだり、命を落とす方が少なくなるよう願います。がんは痛い病気というイメージがありますが、初期のがんには全く自覚症状がありません。がんは1個のがん細胞が増殖した多数の細胞の塊です。がんと診断された10年前には、すでにがん細胞は存在しています。早期発見・早期治療が重要です。そのために、是非、検診を受けましょう。

 禁煙は、病気の予防・治療です。山梨県は平成18年12月に喫煙対策実施状況の調査を行いました。市町村や県、国の出先機関、民営事業所、病院などを対象に634施設から回答を得ました。全体の喫煙率は、男性35.7%、女性10.2%ですが、病院は男性38.6%、女性20.9%と平均を上回っています。病院職員が喫煙しているのを患者さんが見たら、禁煙指導をしても説得力に欠けます。また病院職員の喫煙のために敷地内禁煙が進まないようでは、患者さんの健康を守ることができません。
平成19年の山梨県が中高生を対象とした喫煙実態調査では、高校生の13.2%、中学生の9.1%に喫煙経験があり、また両親あるいは母親が喫煙する家庭で、喫煙経験を有する生徒が多いことがわかりました。親の喫煙は本人ばかりでなく、次世代を担う子どもにも影響します。(平成19年3月26日 読売新聞)

 平成21年「体温を上げると健康になる」という本が書店の店頭を飾っていましたが、私は「毎日歩くと健康になる」と言いたいです。元気なうちは想像もできませんが、人は、病気や老化、ケガなどによりいつかは歩けなくなる日が来ます。トイレやお風呂に自力で移動できなければ介助・介護が必要となります。歩けなくなることがきっかけで介助・介護が始まる方を多く見受けます。歩けなくなる原因としては、脳卒中、パーキンソン病、ALSなどの神経疾患、筋肉を使用しないために筋力が衰える廃用症候群、動くと呼吸困難が生じるCOPDや心不全、骨粗鬆症や転倒などによる大腿骨の骨折、下肢の怪我、脊髄の損傷、腰痛・膝関節痛などがあります。現代社会では、車やバイク、エレベーター、エスカレーターで歩く機会が少なくなっています。1日中座りっぱなしのデスクワークが増えています。子どもたちは、外で遊ぶよりも室内でゲームをすることが多くなり、以前よりも体力が低下しています。いつまでも元気に歩けるように普段から足を鍛えましょう。

 「命をあずける医者えらび」(保険同人社)という本が出版されました。この本は実地医家のための会の先生方のエッセイ集です。実地医家のための会は、昭和38年にできた開業医のための勉強会です。現在でも例会が続いていて、私も参加しています。大変好評で、一読をお勧めいたします。
実地医家のための会 http://www.jicchi-ika.jp
保健同人社 命をあずける医者えらび http://service.hokendohjin.co.jp/book/detail/0655.html

 発熱したときは、CRPを測定し、全身の炎症の程度を把握します。一方、CRPは動脈硬化の危険因子の一つです。CRP値が0.3mg/dl以上の方は、それ未満の方と比べて心筋梗塞などの発症が3倍も高くなると報告されています(N Eng J Med 331:417-424,1994)。コレステロールが高い方、高血圧や糖尿病の方は、CRPの値にも目を向けてください。コレステロールを低下させるスタチンという薬は、全身の炎症を抑え、CRPを低下させる働きも持っています。

 現在、市立甲府病院では常勤の消化器内科専門医が不在で、消化器疾患の専門的な診療ができない状態が続いています。消化器疾患は患者数も多く、今後は県立中央病院や山梨大学附属病院など他の医療機関の負担が多くなると思われます。原因は病院の専門医不足です。各医療機関は専門医確保に尽力していますが、医師を確保することは非常に困難です。医療を提供する体制は後退しています。「病気になったら病院に行けば安心」と言えない状況です。医師を確保することが難しい状況での医師不足対策としては、予防に努めることです。高齢人口の増加に伴い、認知症などの疾患は増えてきます。病気を早期に発見し、進行しないよう早期治療に努めましょう。またワクチンなどで予防できる疾患は、予防に努めましょう。事故やケガもしないように努めましょう。元気に歩き続けるために、足の健康寿命を延ばしましょう。

 糖尿病では、塩酸メトホルミン(商品名:グリコラン、メルビン、メデット)などビグアナイド系とよばれる薬がよく使われます。この薬で極めてまれに乳酸アシドーシスが起こることがあります。きわめてまれではありますが、腎機能が低下した方やヨード造影剤を用いたCTを行う時にやや起こりやすくなります。ヨード造影剤を使用する時には塩酸メトホルミンの内服を中止するなどの注意が必要です。

 食後高血糖を抑えるために食後の運動をすすめています。東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科講師の西村理明先生は、持続血糖モニターを用いて、患者さんの血糖の変動を観察しています。46歳の糖尿病患者さんを調べたところ、食後に散歩をすると食後上昇した血糖は速やかに下がりました。昼食後に昼寝をすると、200mg/dl以上の血糖が4時間近く続いていました。食後に散歩をするか、昼寝をするかが劇的な違いを生みます(Medical Tribune circulation today 2011.3.24)。
 私も食後の運動の効果を自分自身で試してみました。まず、通常の糖負荷試験を行いました。
血糖(mg/dl) 106(負荷前)170(30分後)192(60分後)100(120分後)
インスリン(μU/ml) 6.9(負荷前)30.8(30分後)65.9(60分後) 39.7(120分後)

 翌日の糖負荷試験では、砂糖水を飲んだ後に、20分運動をしました。
血糖(mg/dl) 104(負荷前) 130(30分後) 168(60分後) 115(120分後)
インスリン(μU/ml) 10.8 (負荷前)29.8(30分後) 35.2(60分後) 36.0(120分後)

 通常の糖負荷試験では、30分後には170mg/dl、60分後には192mg/dlに血糖が上がりましたが、砂糖水を飲んでから運動をすると30分後には130mg/dl、60分後には168mg/dlに血糖の上昇が抑えられていました。食後の運動で血糖の上昇が抑えられることを確認できました。食後1時間以内に、運動をする習慣を身につけましょう。

3月の健康 (2011年)

2011.03.01.02:00

3月の健康

 今年も早いもので、3月(弥生)となりました。3日はひな祭り、6日は啓蟄、21日は春分です。
3月は、本格的な花粉症の季節です。インフルエンザやノロウイスルによる感染性胃腸炎などにも警戒を怠ってはいけません。うがい、手洗い、マスクを忘れずに十分、注意してください。
春の暖かさを感じる日もあれば、寒い日、風の強い日もある不安定な気候です。健康には十分ご注意ください。この時期、桜のつぼみは日に日に膨らんでいます。桜の開花が楽しみです。

 3月1日(月)から7日(日)は、「子ども予防接種週間」です。4月からの入園・入学に備えて、必要な予防接種を済ませ、病気を未然に防ぎましょう。

 3月3日は「耳の日」です。耳鼻科の先生にうかがいましたら、耳垢によって難聴になっていることが意外に多いそうです。ウイルスによる難聴もあります。補聴器は調整が難しく、熟練・専門を要するそうです。耳が聞こえにくくなったら、まずは、耳鼻科専門医に相談しましょう。耳鼻咽喉科は、めまいも専門としています。
毎年この時期に「耳の日フェスタ記念講演会」があります。今年は3月6日(日)午後1時より岡島ロイヤル会館8階にて行われます。東京医科大学耳鼻咽喉科教授・河野淳先生が「耳はなぜあるの? 難聴がもたらす影響とその対処:補聴器と人工内耳とQOL」という演題で講演されます。講演後には相談会があります。時間は午後1時30分より、参加費は無料です。せっかくの機会ですので、是非参加ください。
医師は五感を活用して診療をします。聴診をするうえで耳は重要です。胸部の聴診では心臓の音を聞きます。規則正しい心音か、雑音は聞こえないか確認します。深呼吸をしていただき、呼吸音を聞きます。上下・左右に十分に空気が流れているか、喘息の音がないか確認します。血管の音も聞きます。血管の雑音が聞こえたら、血管の狭窄を疑います。お腹に聴診器を当て、腸の動いている音を確認します。学校の健康診断で多くの児童・生徒の聴診をします。心臓の音は一人一人違い、実に個性的です。

3月3日は「ひな祭り」、3月8日は、「国際女性デー」です。また、3月1日から3月8日まで「女性の健康週間」です。これは、日本のすべての女性が自分の健康への関心を高めて体の状態や仕組みについて知識を得、より健康で幸せになることを目指して定められました。女性には更年期障害、乳がん、子宮がんなど女性特有の病気があります。最近では性差を考慮した医療が強調されています。全国の病院で女性外来が設立され、平成17年3月には山梨県立中央病院にも開設されました。山梨県立中央病院・女性外来は予約制です。(055-253-7111)
女性の健康について次のホームページにアクセスしてみたらいかがでしょうか。
・「女性の健康週間」 http://www.jsog.or.jp/public/health_week/whw_top.html
・NPO法人女性の健康とメノポーズ協会 http://www.meno-sg.net
・更年期障害と治療法の情報サイト「いきいきひろば」http://www.hisamitsu.co.jp/hrt/

 3月29日は、ベトナムで、新型感染症・SARSと現地で戦い、情報を送り続けたカルロ・ウルバニ医師が亡くなった日です。平成15年のことです。

 インフルエンザの薬、タミフルを内服した未成年者が、異常行動を起こしたと以前報道されました。しかし、この異常行動が、タミフルの副作用によるものなのか、インフルエンザの合併症である「インフルエンザ脳症」によるものなのか、明らかではありません。インフルエンザ脳症とは、インフルエンザをきっかけとして生じた脳症のことです。特徴として次のようなものがあります。①インフルエンザの流行の規模が大きいほど発症が多発する。②主に6歳以下の小さな子どもが発症し、インフルエンザの発熱から数時間~1日と神経症状が出るまでの期間が短い。③主にけいれん・意味不明な言動・急速に進行する意識障害が症状の中心である。④死亡率は約30%であり、後遺症も25%の子どもに見られるなど、重い疾患である。⑤現在まで我が国で多発し、欧米での報告は非常に少ない。
 インフルエンザ脳症に見られた異常な言動には、「自分の手をハムだ、ポテトだと言ってかじりついた」「ついていないテレビを見て、猫が来る、お花畑がたくさんあると口走った」「咳をした後、枕を頭に打ち付けて、キャーキャー叫んだ」「突然、赤ちゃんのようなしゃべり方で訳のわからないことをいう」「知っている言葉をとりとめなくしゃべっていた」などがあります。インフルエンザ脳症と解熱剤との関係も明らかになってきました。アスピリン、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウムは、インフルエンザ脳症を重症化させるおそれがあるので注意が必要です。解熱剤としてはアセトアミノフェンを使用してください。インフルエンザ脳症については、「インフルエンザ脳症の手引き」、「インフルエンザ脳症ガイドライン改訂版(2009年10月)」に詳しく書かれています。これらは岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 小児医科学のホームページよりダウンロードすることができます。「グリーフカード」もダウンロードできます。 http://www.okayama-u.ac.jp/user/pedhome/pedhome.html

 インフルエンザウイルスによる感染によって、関節痛、筋肉痛、頭痛などの症状が出現します。しかし、ウイルスは、関節や筋肉、頭部に存在しているわけではありません。血液内に入ることもまれです。ウイルスが気道上皮に付着してから上皮細胞内に侵入するまで、30分程度といわれています。インフルエンザウイルスは通常、気道内にしか存在しません。したがって気道内にインフルエンザの薬が届けば十分効果があることになります。リレンザ(一般名:ザナミビル)は吸入の抗インフルエンザ薬です。吸入することにより、薬はインフルエンザ感染の場である気道に到達し、効果を発揮します。吸入薬であるため使用方法が煩雑ですが、タミフルと効果はほとんど変わらず、胃腸症状などの副作用もあまり認めません。タミフルに対して、必要以上に心配することはありませんが、リレンザという吸入薬を使うのも一つの方法です。
 昨年よりイナビル(一般名:ラニナミビル)という吸入の抗インフルエンザ薬が使用できるようになりました。これは1回の吸入で治療が完結します。日本で開発されました。2008-2009年に行われた調査では、イナビルのインフルエンザ罹病時間はタミフル(一般名:オセルタミビル)よりも短く、オセルタミビル耐性株にも有効であることが示されました。(東北大学加齢医学研究所抗感染生薬開発研究部門教授・渡辺彰先生)
使いやすい薬ですが、うまく吸入ができないと薬が気管・気管支に届かず、十分な効果を発揮できないおそれがあります。薬を処方されたら、医師や看護師、薬剤師の前で吸入するのがよいでしょう。
 抗インフルエンザウイルス薬であるラピアクタ(一般名:ペラミビル)が、平成22年1月13日に承認され、使用できることとなりました。注射薬であるため、重症の患者さんにも使いやすい薬です。また1回の注射で十分な効果を得ることができます。インフルエンザ対策は、国の重要な政策であり、この薬は通常よりも早く承認されました。そのために、使用したすべての患者さんについてデータを集めて、効果と安全性を確認する必要があります。

 いよいよ本格的にスギ花粉の飛散が始まりました。この時期、当院でも花粉症の患者さんが増えます。実は私も花粉症です。当初は花粉症とは思っていなかったのですが、鼻水の中の細胞を調べてみると、アレルギーに関与している好酸球という白血球がたくさん見られました。特異的IgEという検査では、スギだけにアレルギーがあり、ヒノキ、ハルガヤ、イヌ・ネコのフケ、ハウスダスト、ダニなどにはアレルギーがありませんでした。鼻水の中の好酸球は鼻にちょっと綿棒を入れて鼻水を調べます。特異的IgEは血液の検査です。検査の結果、自分は立派な花粉症だとわかりました。今では早めに薬(抗アレルギー剤)を内服しています。薬を飲んでも眠くならずに普通に仕事ができます。花粉症では早めに薬を使用し、症状を抑えることがポイントです。これを初期療法といいます。
 飛散して症状がひどくなってから受診される方が多く見られますが、飛散前に早めに薬を使っていただきたいと思います。抗アレルギー薬を2~4週間早く飲み始めるだけで症状が軽く抑えられます。「花粉症の薬って眠くなるんでしょ」と言われる患者さんがいます。初期の薬はそうでした。最近の薬は改良され眠気が出にくくなっています。眠さを自覚しなくても、集中力や判断力、作業能率が低下することがあります。この状態のことを「インペアード・パフォーマンス」といいます。インペアード・パフォーマンスをわかりやくい言葉にすると、「気づきにくい能力ダウン」です。塩酸フェキソフェナジンやロタラジンなどインペアード・パフォーマンスを起こしにくい抗アレルギー薬もあります。(サノフィ・アベンティスの資料 JP.FEX.08.03.03 より)
インペアード・パフォーマンスゼロプロジェクトのホームページです。
http://www.allergy-i.jp/ipzero/index.html

 花粉症の点鼻薬にはいくつもの種類があります。町の薬屋さんで販売されている点鼻薬は主に
鼻の血管を収縮させ、鼻水を抑える薬です。医院で処方する点鼻薬は主に抗ヒスタミン薬とステロイド薬です。これは共にアレルギーに働く免疫細胞に作用して鼻水、鼻詰まりを抑える薬です。特にステロイドの点鼻薬は高く評価されています。点鼻薬ですとステロイドは鼻粘膜に直接作用しますから、十分な効果が得られ、全身への影響は少なく副作用の心配はほとんどありません。最近では1日1回噴霧するだけのステロイド点鼻薬も出現し、使いやすくなっています。ナゾネックス(一般名:モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物)アラミスト(一般名:フルチカゾンフランカルボン酸エステル)などです。そのほか小青竜湯などの漢方薬もあります。お薬は上手に使うことがポイントです。花粉症の薬はいろいろあります。是非、医師にご相談ください。

 スギ花粉の飛散状況は地域や日によって異なります。環境省では花粉の飛散状況を1時間おきに観測し、インターネット上で公開しています。(環境省花粉観測システム http://kafun.taiki.go.jp )ヒノキ花粉に対してアレルギーを持っている方はヒノキ花粉の飛散が終了するまで治療を続けることが大切です。ヒノキアレルギーかどうか、特異的IgEという血液の検査で調べることができます。ご希望の方は申し出てください。
 山梨県のスギ・ヒノキ花粉の飛散状況は山梨環境アレルギー研究会のホームページで知ることができます。http://www.ykafun.umin.jp/2.html
その他の花粉症に関するサイトです。
・環境省花粉情報サイト http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun
・花粉症ナビ(協和発酵キリン) http://www.kyowa-kirin.co.jp/kahun/
・花粉症対策サイト(サノフィ・アベンティス) http://www.allergy-i.jp/kafun
・鼻のおまもり http://biennet.jp/
・鼻のおまもり 教えて先生! http://biennet.jp/interview
・花粉いんふぉ(NPO花粉情報協会) http://pollen-net.com
・鼻アレルギーお役立ち情報 http://www.nippon-shinyaku.co.jp/healthy/hanaallergy
・読売新聞 花粉情報 http://www.yomiuri.co.jp/weather/kafun/
・日本アレルギー協会 http://www.jaanet.org/patient

 血圧の治療の時には、血圧をしっかり下げると同時に脈が速くならないよう注意する必要があります。家庭で血圧を測定している方が多いと思いますが、どうか脈拍数にも注意してください。高血圧の方で、
尿に蛋白が出ている場合、腎臓に高い圧力がかかり、腎臓に負担がかかっています。尿に蛋白が出ている方にはより厳しく血圧を下げる必要があります。血圧の薬は、大きく10種類あります。上手に使うことが高血圧治療のポイントです。蛋白尿を抑える効果が高いのは、レニン-アンジオテンシン-アルドステロンという血圧を上昇させる仕組みをブロックする薬です。当院では高血圧のときに尿検査を行い、蛋白尿が出ていないか確認します。高血圧の薬の詳しい説明は、「受診ノート」に記載してあります。
 高血圧は昔からある病気ですが、治療法は年々進歩しています。日本高血圧学会では2000年に「高血圧治療ガイドライン」を発表しましたが、2004年、2009年と改定されました。パソコンで例えると、ソフトがバージョンアップしたようなものです。高齢の方であっても治療は140/90mmHg未満を目標にする、いろいろな降圧薬を組み合わせて治療する、1日の塩分摂取量を6g未満に抑えるなどが主な改定のポイントです。当院では新しいガイドラインを参考に高血圧治療を進めてまいります。国立循環器病センターのホームページは、高血圧についてのおすすめのホームページです。ぜひ、循環器病情報サービス http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/index.html にアクセスしてみてください。
 高血圧の患者さんに、血圧の薬を出しますと、「血圧の薬って一生飲まなくてはならないのですか」とよく聞かれます。そんな時、私は次のように説明します。「血圧の薬を飲むのは、今苦しくて困っているからではありません。将来の病気を予防するためです。高い血圧が持続すると脳梗塞、心筋梗塞・狭心症、心不全、腎臓病、認知症などが起こります。脳梗塞などで半身麻痺になったり、寝たきりになると介護が必要となり、本人ばかりだけでなく家族にも負担がかかります。血圧を下げて病気を予防する、ちょうど歯を磨いて虫歯や歯周病を予防するようなものです。歯磨きは一生するものです。誰も『歯磨きは一生するものですか』と歯医者さんに質問する人はいません。長く飲めば飲むほど、飲まない方と比べ差が出てきます」このように説明し、納得していただいています。当院では「寝たきり予防」を第1の目標としています。寝たきりになる原因は、脳卒中(脳血管障害)、骨粗鬆症、廃用症候群、転倒です。脳卒中の主因は高血圧です。高血圧治療は、寝たきり、介護予防です。

 2種類以上の薬を一つの錠剤にまとめる合剤が最近続々と登場してきました。①高血圧に使われるアンジオテンシン?受容体拮抗薬(ARB)と利尿剤の合剤、②高血圧に使われるカルシウム拮抗薬とアンジオテンシン?受容体拮抗薬(ARB)の合剤、③高血圧に使われるカルシウム拮抗薬と脂質異常症に使われるスタチンの合剤などです。合剤を使うことにより服用する錠剤の数が減り、患者さんの飲み忘れが少なくなります。飲み忘れによる疾患の悪化を少なくすることができます。カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン?受容体拮抗薬(ARB)、利尿薬、スタチンの4錠を内服している方は、2種類の合剤を使うことによって、2錠に減らすことができます。
当院でアムロジピン(5mg)1錠、トリクロメチアジド(1mg)1錠、オルメサルタン(20mg)1錠を処方していた患者さんの薬を、アムロジピン(5mg)1錠とミコンビBP 1錠に変更したところ、血圧が147/95mmHgから
112/78mmHgに下がりました。ミコンビBPは、テルミサルタン(80mg)と利尿薬であるヒドロクロロチアジド
12.5mgの合剤です。合剤により難治性の高血圧が低下したケースでした。薬は処方しただけでは効果を発揮できません。患者さんに飲んでいただかなければなりません。当院では、患者さんの服薬のしやすさを考え、合剤を積極的に使用していきたいと考えています。

 寝たきりの方には、褥瘡ができやすくなります。「褥瘡:じょくそう」と読みます。わかりやすく言い換えると、床ずれのことです。普段使い慣れている医学用語が、一般の方には難しいことがあります。わかりにくい言葉を教えていただけましたら幸いです。医療で使う専門用語をわかりやすく解説した「病院の言葉を分かりやすく 工夫の提案」(勁草書房)を待合室に置きました。どうぞご活用ください。

 介護保険主治医意見書には、病名と発症年月日を書く欄があります。治療を受けているが病名がわからない、いつ手術をしたかわからない場合が時々見られ、記載できないことがあります。自身の病気の歴史は、既往歴(past history)といい非常に重要です。病名と発症年月日を正確に教えていただきますようお願いいたします。

<ダイエットを成功させるコツ ①>
ダイエットを成功させるポイントは、食事、運動、記録、ストレス対策です。食事については、食べ物のエネルギーを知ることが大切です。主食と魚についてクイズ形式にしてみました。
次の主食は何カロリーでしょうか。①ごはん小盛り110g、②ごはん普通盛り135g、③ごはん大盛り200g、④おにぎり70g、⑤おかゆ200g、⑥赤飯150g、⑦切り餅50g、⑧食パン4枚切り90g、⑨食パン6枚切り60g、⑩食パン8枚切り45g、⑪ロールパン30g、⑫クロワッサン30g 
次の魚は何カロリーでしょうか。①マグロとろの刺身80g、②マグロ赤身の刺身80g、③ハマチの刺身80g、④アジの刺身80g、⑤ホタテ貝の刺身80g、⑥ヒラメの刺身80g、⑦赤貝の刺身80g、⑧イカの刺身80g、⑨ブリの切り身125g、⑩サケの切り身130g、⑪サンマ1匹98g、⑫アジ1匹74g 
答えは最後に。スティックシュガーを用いてカロリーを考えるとわかりやすいと思います。砂糖5gは20キロカロリーです。この食品はスティックシュガー何本分かと考えてみましょう。ミールタイムという食事通販カタログには、食品の栄養やカロリーが分かりやすく載っています。ミールタイムで紹介された食品を利用しても良いでしょう。
現在は飽食の時代です。ついついカロリーを取り過ぎてしまいます。毎日体重を測って体重をコントロールしましょう。私も毎日の体重測定を心がけています。

 平成17年3月1日より山梨県の事業として小児救急医療が本格的に始まり5年になります。平日の夜間、土、日曜日に小児科専門医が小児の救急医療に対応します。場所は甲府市幸町の甲府市医療福祉会館(旧甲府市立病院)です。電話番号は055-226-3399です。受診する場合は必ず電話をしてから受診してください。


 寒く乾燥したシーズンが続きます。手などが乾燥しますので皮膚の保湿をしてお手入れをしましょう。当院では皮膚の乾燥がひどい方に保湿剤を処方しています。クリームとローションがあります。皮膚が乾燥して体がかゆい方はご相談ください。

 毎年、3月の第2木曜日は「世界腎臓デー」です。平成23年は3月10日です。これは腎臓財団国際連合と国際腎臓学会の共同の提案で決められました。最近、腎臓の病気、特に慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease)という疾患が注目されるようになりました。腎臓の病気は、世界的に増加しています。特に日本は、世界でも腎臓病が多い国です。特に透析を受ける方が非常に増加しています。日本では毎年、新たに1万2000人が透析医療を受け、平成21年12月末現在、日本で透析を受けている方は、29万675人です。実に日本人439名に1人の割合です。
腎臓病は本人及び家族の生活の質を低下させます。慢性腎臓病では、高率に心臓病や脳血管障害を発症させ、その数は腎臓病が悪化して透析にいたる方よりもはるかに多いです。慢性腎臓病のステージ(病期)が進むほど、心臓病や脳血管障害のリスクは高くなります。慢性腎臓病対策は急務です。 
 慢性腎臓病は、次のように定義されます。
  ①尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか ~特に蛋白尿の存在が重要~
  ②糸球体ろ過量<60mL/min/1.73m2
  ①、②のいずれか、または両方が3ヶ月以上持続する
   
 心臓から1分間に約5リットルの血液が全身に送られますが、そのうちの1リットルが腎臓に流れます。腎臓に流れた血液は、毛細血管の塊である「糸球体」に流れます。ここで約50mmHgという高い圧で血液がろ過されます。血液がろ過されたものは、尿の元になり、原尿と呼ばれます。正常の腎臓では、1分間に約100mlの原尿が作られます。原尿は尿細管という管を通り、再吸収されます。最終的に1日の尿量は1.5リットルくらいになります。
 腎臓の機能とは、血液のろ過能力を見ています。糸球体ろ過量が、60mL/min/1.73m2 未満になると臨床的にも問題になってきます。
 慢性腎臓病では、糸球体ろ過量によって、次のように病期を分けています。
病期  重症度の説明                  糸球体ろ過量mL/min/1.73m2
ハイリスク群                ≧90(慢性腎臓病のリスクファクターを有する状態で)
1 腎障害は存在するが、糸球体ろ過量は正常または亢進 ≧90
2 腎障害が存在し、糸球体ろ過量が軽度低下      60~89
3 糸球体ろ過量が中等度低下              30~59
4 糸球体ろ過量が高度                 15~29
5 腎不全                      <15
           日本腎臓学会編 CKD診療ガイド2009 p13

 腎臓は、糸球体に高い圧がかかり、それによって血液をろ過しています。糸球体の圧力が高いと負担がかかり、糸球体はつぶれてしまいます。降圧薬は、糸球体の圧を下げることにより、腎臓の負担をとり、腎機能の悪化を抑えます。
 腎機能が低下し、透析にいたる3大疾患は、①糖尿病 ②慢性糸球体腎炎 ③高血圧 です。
① 糖尿病は、血糖の管理が重要です。
② 慢性糸球体腎炎にはいくつかの種類があります。最も多いのは、IgA腎症です。これは糸球体の中のメサンギウム細胞とメサンギウム基質が増加し、そこを中心にIgAという抗体と抗原の塊が蓄積するのが特徴の病気です。進行は緩徐で、20年に約40%の方が腎不全に陥るといわれています。最近、扁桃腺を摘出してステロイドの点滴をする治療法が注目され、効果が報告されています。この治療は、腎機能障害がまだ進んでいない段階で行わないと効果が期待できません。また正しい診断のためには、腎臓の一部を採ってきて顕微鏡で観察する腎生検という検査を受ける必要があります。
③ 高血圧は、薬を中心とする治療が重要です。十分な降圧と、レニン―アンジオテンシン系の薬を使うことが大切です。
 腎臓の主な働きは、血液をろ過して、不要なものは尿として排泄し、必要なものは出さないことです。例えると、ふるいのようなものです。腎機能が低下するということは、ふるいの目が詰まってしまい、不要なものが尿として出ていかない状態です。蛋白尿とは、ふるいの目が破れてしまって、必要なもの、すなわち蛋白質が出て行ってしまう状態です。
 以前、私が担当した患者さんです。1992年6月、38歳の時健康診断にて、蛋白尿、血尿を指摘され、その年の8月に病院を受診しました。尿蛋白(+++)、尿潜血(+++)、クレアチニン:1.1mg/dl、 尿素窒素:16mg/dlでした。1997年1月29日には クレアチニン 7.1、尿素窒素 85、eGFR 7.72、尿蛋白 2+と悪化し、3月25日、腹膜透析という透析医療を受けることになりました。検診で発見されてから透析を受けるまで約5年です。   
透析にかかる日本の医療費は1年間で1兆2000億円といわれています。腎臓病の初期は、自覚症状がありません。自覚症状が出現した時には透析直前ということも少なくありません。早期発見・早期治療のため、検診を受けましょう。現在は、治療が発達しており、適切な治療を受ければ病気の進行を抑制することが可能です。
慢性腎臓病(CKD)の降圧治療目標は、外来血圧で、130/80mmHg未満、家庭血圧で、125/75mmHg未満です。1日1g以上のたんぱく尿が出ている場合は、外来での降圧治療目標は更に厳しくなり、125/75mmHg未満となります。
糸球体ろ過量を用いて、腎臓の機能を代表させます。糸球体ろ過量として、クレアチニンクリアランスを用いることが多いです。クレアチニンクリアランスは、採血と採尿を必要とし、外来診療では使いにくいため、年齢と血液中のクレアチニン濃度から求める推定糸球体ろ過量がよく用いられます。クレアチニンは、脱水や筋肉量に左右されたり、早期の腎機能障害では異常値を示しにくいなどの欠点があります。血清シスタチンCは、脱水や筋肉量に影響をされず、腎機能低下時には、クレアチニンよりも鋭敏です。腎機能障害の早期発見に有用です。
世界腎臓デーについては、特定非営利活動法人 腎臓病早期発見推進機構(IKEAJ)のホームページをご覧ください。http://www.ikeaj.or.jp
 また、日本慢性腎臓病対策協議会のホームページもご覧ください。 http://j-ckdi.jp

 平成17年3月12日に「不眠症セミナー」という講演会で、国立精神・神経センター精神保健研究所の内山真先生とCNS薬理研究所所長・北里大学名誉教授の村崎光邦先生の講演を聴きました。成人の5人に1人は睡眠に対し何らかの訴えを持っているといわれています。他国と比べると、日本人は寝るためにお酒(アルコール)を飲む人が飛びぬけて多いそうです。寝酒という言葉があるくらいです。実は、寝るためにお酒を飲むことはあまりいいことではありません。寝付きはよくなるのですが、途中でお酒が切れると目が覚めてしまい、眠りが浅くなります。そのうち、だんだんお酒が効きにくくなりお酒の量が増えてきます。お酒を飲むといびきがひどくなり、眠りが浅くなることもあります。それに対し、現在のベンゾジアゼピン系の睡眠薬は長く使用しても効果は落ちることなく、質の良い睡眠が得られます。肝臓など全身に影響を与えることもありません。飲み続けボケるということもありません。村崎先生は「現在の睡眠薬はビールコップ一杯よりも安全」と紹介されていました。睡眠の薬は、効果が持続する時間により使い分けます。睡眠障害は高血圧の原因の一つになります。当院では、睡眠障害に対して詳しい問診を行い、適切な治療に心がけています。睡眠でお悩みの方はご相談ください。
睡眠に関することについて次のホームページでも紹介されています。
・快眠推進倶楽部 http://www.kaimin.info
滋賀医科大学には、睡眠に特化した睡眠学講座があります。 http://www.sasjp.net

 3月15日から21日は「こころの健康づくり週間」です。現在は社会が複雑化し、ストレスを感じている人が増えています。うつ病を患う方も増えています。新潟医療福祉大学の櫻井浩治先生は、うつ病対策として次の7つをあげています。①グチを、非難せずに聴くこと ②「お早う」「お疲れさん」「ありがとう」など、家庭内での挨拶、ねぎらいをできるだけ口に出していうこと ③職場の仕事を家庭に持ち込むことを嫌がらないこと ④地位にこだわらないこと ⑤責任・義務を強要しないこと⑥本人のがんばりを評価すること ⑦なるようにしかならない、という考えを普段から時々持つ訓練をしておくこと。
また、うつ病を予防するために心がけることとして①お互いを認め合うこと ②休暇をとることを認め合うこと ③「うつ病」は「怠け病」ではないことを知っていること の3つをあげています。あおぞら心療内科クリニックの根本先生は、甲府市医師会主催の医療懇話会で心の健康のために趣味を2つ持ちなさいとアドバイスしてくれました。1つは仲間と楽しくする趣味、もう1つは自分だけの楽しみとしての趣味です。2つの性格の異なる趣味を持ち、心のバランスを保つことが大切だと教えられました。
日本では、平成10年以降、12年連続で自殺者が3万人を超えています。特に3月に自殺者が多いので、政府は3月を「自殺対策強化月間」と定めました。うつ病は自殺と関連の強い病気です。うつ病の治療の基本は、休養と薬です。
政府の自殺対策については http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/index.html をご覧ください。

カロリークイズの答えです。主食です。①ごはん小盛り(110g) 163kcal、②ごはん普通盛り(135g) 200kcal、③ごはん大盛り(200g) 約300kcal、④おにぎり(70g) 104kcal、⑤おかゆ(200g) 144kcal、⑥赤飯(150g) 255kcal、⑦切り餅(50g) 118kcal、⑧食パン4枚切り(90g) 234kcal、⑨食パン6枚切り(60g) 156kcal、⑩食パン8枚切り(45g) 117kcal、⑪ロールパン(30g) 84kcal、⑫クロワッサン(30g) 129kcal 
魚です。①マグロとろの刺身(80g)258kcal ②マグロ赤身の刺身(80g)106kcal ③ハマチの刺身(80g)194kcal ④アジの刺身(80g)115kcal ⑤ホタテ貝の刺身(80g)84kcal ⑥ヒラメの刺身(80g)74kcal ⑦赤貝の刺身(80g)68kcal ⑧イカの刺身(80g)61kcal ⑨ブリの切り身(125g)321kcal ⑩サケの切り身(130g)217kcal ⑪サンマ1匹(98g)235kcal ⑫アジ1匹(74g) 107kcal

 平成18年3月にワールド・ベースボール・クラッシク(WBC)が始まりました。医療の世界でWBCというとwhite blood cellで白血球のことです。白血球は体をばい菌から守ってくれる大切な細胞です。白血球には好中球、リンパ球、好酸球、好塩基球、単球などの種類があります。肺炎などの細菌性感染症では好中球が増えます。ウイルスには、リンパ球が関与します。好酸球は花粉症や気管支喘息といったアレルギー疾患に関係しています。どの白血球が増えているか検査し、診断の参考としています。

 ウィンタースポーツ、フィギュアスケートのシーズンも終盤になってきました。昨年のバンクーバーオリンピックに出場した鈴木明子選手は「摂食障害」という難病を克服し8位に入賞しました。平成18年のトリノオリンピックでは、女子フィギュアスケートの荒川選手が日本唯一の金メダルを獲得しました。荒川選手は長野オリンピックで13位、ソルトレークシティオリンピックには出場できませんでした。スケートをやめようと考えた時期もありました。しかし、やめないで続けてきたからこそ金メダルを取ることができました。これは健康にも当てはまります。健康を維持するポイントは、よい生活習慣を続けることです。食事療法、運動療法、禁煙、病気の治療など続けて、健康という金メダルを取りましょう。

 日本は世界で最も胃がんの多い国です。2000年の胃がんの年齢調節罹患率では、男性が10万人当たり69.2人、女性が28.6人です。アメリカと比較すると男性は8.87倍、女性は7.73倍も高い数字です(日本内科学会雑誌 Vol94.No1 p4)。胃の病気を診断するためには胃カメラが欠かせません。胃カメラを受けるようすすめますと、「以前、苦しい思いをしたからやりたくない」と、断る方も見うけられます。患者さんに苦痛を与えない努力が大切です。胃カメラを受けた患者さんの約7割の方が、苦痛を感じたという報告もあります。甲府市相生の櫻林内科眼科クリニックでは、胃カメラの苦痛を和らげるための工夫として鎮静薬を用います。櫻林先生が、67名の方に鎮静薬を使用して検査を行なったところ苦痛を訴えた方はいませんでした。当院からも近く、患者さんの苦痛にも配慮してくれるので、よく胃カメラ検査を櫻林先生にお願いしています。鼻から挿入する胃カメラでは患者さんの苦痛が軽くなります。桜林先生に限らず胃カメラを行う先生方は、患者さんの苦痛のことを十分に考慮し、検査をしています。必要以上に恐れることなく、胃カメラを受けるようにしましょう。私も年に1回は胃カメラの検査を受けています。
胃カメラについては「日本消化器内視鏡学会 内視鏡検査と内視鏡治療のご説明」に詳しく説明されています。 http://www.jges.net/simin/index.html

 3月27日はX線を発見したドイツの物理学者 ヴィルヘルム・コンラート・レントゲンの誕生日です。1845年、ドイツのライン地方の都市、レンネップで生まれました。レントゲンは、1901年第1回ノーベル物理学賞を受賞しました。放射線医学、画像診断は大きく発展し、医学に多大なる貢献をしています。レンネップにはレントゲン博物館があります。 http://www.neues-roentgen-museum.de

 日本人の死亡原因の第1位は「がん」ですが、第2位は「心臓病」第3位は「脳血管障害」です。世界の死亡原因の第1位は「虚血性心疾患」「脳血管障害」です。日本、世界で多くの方が、脳血管障害のために亡くなっています。また、脳血管障害は、寝たきり、半身麻痺、失語症、認知症などの後遺症を引き起こします。介護を受けなくてはならない場合も少なくありません。患者さん本人ばかりでなく、家族の方にとっても大きな負担です。心臓病、虚血性心疾患、脳血管障害は、血管の病気です。血管をいかに若くしなやかに保つかが大きな課題です。
当院では、血圧脈波測定を行い血管年齢を調べています。手と足で同時に血圧を測定し、脈の伝わる速度を計算します。硬い血管は早く伝わる、柔らかい血管は遅く伝わるという性質を利用して、血管の老化度、血管年齢を測定することができます。血圧は血管にかかる圧力、コレステロール値は血液の成分測定で、血管そのものを見ている検査ではありませんでした。血圧脈波測定は、血管そのものを評価する従来なかった検査法です。上肢と下肢の血圧の比より足の動脈の閉塞を早期に発見することも可能です。負担の少ない簡単な検査で、多くの方に勧めています。

 漫才師の星ルイスさんが平成17年3月10日に56歳という若さで亡くなりました。星セントさんと「セントルイス」という漫才コンビを組み、「田園調布に家が建つ」というギャグでブレイクした方です。相方の星セントさんも平成16年に56歳という若さで命を失っています。二人の命を奪ったのは共通の病気、「肺癌」です。肺癌は日本人男性のがんの死亡率のトップです。肺癌対策をさらに進めていく必要があります。

3月は卒業シーズンです。これを機会に喫煙も卒業してみたらいかがでしょうか。

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